薬剤師国家試験に2回目以降で挑む人へ:既卒・条件付き内定からの立て直し実例

監修久松 賢三ウェルズ家庭教師センター センター長プロフィール
最終更新: 2026-08-18

薬剤師国家試験に2回目以降で挑む場合、合格の鍵は「勉強量を増やすこと」ではなく「1年目と同じやり方を繰り返さないこと」です。実際、当センターには、模試150点台・条件付き内定という状況から立て直して合格した方、卒業試験に落ちて国試すら受けられない状況から1年で卒試・国試を一発クリアした方がいます。この記事では、既卒受験の合格率が下がる構造的な理由と、実際の指導実例をもとにした立て直しの手順をまとめます。

既卒受験の現実:合格率が現役より下がる構造的な理由

薬剤師国家試験の合格率は、例年、新卒と既卒で大きな差があります。厚生労働省が毎年公表する学校別合格状況を見ると、既卒の合格率は新卒の半分程度にとどまる年が続いています(最新の正確な数字は厚生労働省の発表をご確認ください)。

「既卒は学力が低いから」と単純に片づけられがちですが、実際に多くの浪人生を指導してきた立場から見ると、原因はもっと構造的です。

要因現役時との違い
勉強時間の質時間はあるのに「何をどの順でやるか」を決めてくれる人がいない。1日が漠然と過ぎる
環境大学の講義・卒試対策・友人との情報交換がすべてなくなる。予備校に通わない場合は完全に一人
孤立と焦り同級生は薬剤師として働き始めている。SNSを見るたびに焦りが増し、机に向かっても頭に入らない
就職のプレッシャー「条件付き内定」「1年以内に合格しなければ取消」など、現役時にはなかった期限付きの重圧がかかる

つまり、既卒の不合格は「怠けた結果」ではなく、環境と精神状態が現役時より不利になる構造の中で、1年目と同じ独学スタイルを続けてしまうことで起きやすいのです。逆に言えば、この構造に手を打てば、2回目以降でも十分に合格できます。

実例1:模試150点台・条件付き内定から、国試合格・正式入社へ

実際にあったご相談です。国家試験に不合格となり、就職先からは「1年以内に合格できなければ内定取消」という条件を提示された方でした。独学で勉強を続けていましたが模試は150点台。特に物理化学は「選択肢を見ても何を問われているのか分からない」というほど崩れており、焦りから参考書を開いても頭に入らない状態でした。

当センターの担当講師が最初に行ったのは、勉強を増やすことではなく、チェックテストによる弱点の分類でした。「分かっているつもりの範囲」と「本当に分かっていない範囲」を切り分けたうえで、週単位のスケジュールに落とし込みます。

物理化学については、公式を暗記するのではなく「式の意味」から理解し直し、公式の導出を自分の手で再現する演習を徹底しました。一方で、得意だった薬理は難問演習に振り、総得点を底上げする役割を持たせています。さらに毎回の授業で理解度を数値化し、「先週より確実に進んでいる」ことを本人が目で確認できるようにしました。不安が強い日はタスクを細かく刻み、短い休憩を挟みながら進める形に切り替えています。

結果、3か月で模試の成績が上昇し、壊滅的だった物理化学で初めて合格圏の得点に到達。国家試験本番で合格し、正式入社を果たしました。詳しい経過はこちらの指導実例で紹介しています。

実例2:卒試不合格・内定取消の危機から、卒試・国試とも一発クリア

もう一つは、卒業試験に不合格となり、そもそも国家試験を受けられなかった方の実例です。就職先からは「1年以内に国家試験に合格できなければ内定取消」という条件を突きつけられていました。前年度は5科目中4科目が不合格、模試は150点前後。問題演習をしても点数に反映されず、学習計画の立て方自体が分からない状態でした。

この方の指導で軸にしたのは、「1回の授業で理解度80%まで上げる」という明確な基準です。授業中に間違えた問題は、なぜ間違えたのかを自分の言葉で説明できるまで演習を繰り返します。加えて、制限時間内に解く→採点→解き直すというタイムアタック形式で、本番のスピードにも対応できるよう鍛えました。合格した問題には大きな丸をつけ、積み上げが目に見える形にしたことも、不安の強かった本人には効果的でした。

結果は、秋の卒業試験で全科目一発合格、そのまま薬剤師国家試験にも一発合格。現在は薬剤師として臨床現場で働いています。経過の詳細はこちらの指導実例をご覧ください。

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2回目以降で変えるべきこと:同じ教材の「周回」をやめる

2つの実例に共通するのは、勉強時間を劇的に増やしたわけではない、という点です。変えたのは中身です。

誤答理由を「言葉で説明する」学習へ

不合格を経験した方の多くは、青本などの教材を「もう1周する」ことを立て直し策にしがちです。しかし1年目に周回して落ちたのであれば、同じ周回をもう1年やっても結果は変わりにくい。必要なのは、間違えた問題について「自分はなぜこの選択肢を選んだのか」「正解との違いは何か」を言葉で説明できるようにすることです。説明できない問題は、まだ理解できていない問題です。

理解度を数値で測る

「今日は6時間やった」という時間の記録ではなく、「この単元はチェックテストで何%取れるか」という理解度の記録に切り替えます。数値化すると、やるべき範囲が明確になるだけでなく、進歩が見えることで精神的にも安定します。

1人で計画を抱え込まない

既卒受験の最大の敵は孤立です。予備校・家庭教師・学習仲間、形は何でも構いませんが、「計画を一緒に確認してくれる人」「詰まったときにすぐ質問できる相手」を確保することが、遠回りに見えて最短ルートになります。

内定先・家族への伝え方と、1年の資金・生活設計

もう一つ、勉強と同じくらい大切なのが周囲との調整です。

内定先に対しては、結果の報告を先延ばしにせず、早めに現状と学習計画を伝えることをおすすめします。実例1・2の方のように「1年以内の合格」を条件に待ってもらえるケースは実際にあります。誠実に計画を示すことは、信頼をつなぐうえでも意味があります。条件の詳細は口頭で済ませず、書面やメールで確認しておくと安心です。

家族に対しては、「もう1年頑張る」という気持ちだけでなく、週単位の学習計画と模試のスケジュールを共有しておくと、無用な衝突が減ります。応援する側も、見通しがあるほうが支えやすいものです。

資金面では、予備校に通う場合は年間200万円前後かかることもあり、自宅学習+個別指導の組み合わせを選ぶ方も増えています。アルバイトをする場合は、勉強時間を侵食しない範囲(週1〜2日程度)に抑えるのが現実的です。生活リズムは「大学があった頃と同じ時間に起きる」ことを最優先にしてください。起床時間が崩れると、学習計画は高い確率で連鎖的に崩れます。

1年目と同じやり方で、もう1年戦わないでください

「来年も落ちたらどうしよう」という不安は、2回目以降の受験生ほぼ全員が抱えています。その不安は、気合いでは消えません。消えるのは、弱点が数値で見え、今週やるべきことが明確になったときです。

当センターでは、国試浪人・既卒の方に対して、チェックテストによる弱点分類から週単位の学習計画、理解度の数値化まで、上の実例と同じ形でサポートしています。模試の点数、残り期間、就職先との条件など、今の状況をそのままお聞かせください。無料相談で、立て直しの道筋を一緒に整理します。

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