薬剤師国家試験の模試で点数が上がらないとき:E判定・150点台から伸ばした実例

監修久松 賢三ウェルズ家庭教師センター センター長プロフィール
最終更新: 2026-08-27

薬剤師国家試験の模試で点数が上がらない一番の原因は、勉強量ではなく「やった範囲と出る範囲のずれ」と「復習の浅さ」にあります。実際、模試150点台やE判定相当の状態から、勉強のやり方を組み替えて国家試験に合格した実例が当会にはいくつもあります。

この記事では、模試の点数が動かない典型的な原因を整理したうえで、模試150点台からの合格、合格ライン未達からの258点、模試下降中から3か月で過去問正答率9割超という、実際にあったご相談3件の経過を紹介します。

模試の点数が動かない典型原因:やった範囲と出る範囲のずれ・復習の浅さ

「毎日勉強しているのに模試の点数が変わらない」という相談を受けて答案や勉強記録を見せてもらうと、多くの場合、原因は次のどちらか、あるいは両方に集約されます。

原因よくある状態模試に出る症状
範囲のずれ得意分野や好きな科目ばかり周回し、配点の大きい苦手分野を後回しにしている得意科目は高止まり、苦手科目が毎回同じ点数で総得点が動かない
復習の浅さ解説を読んで「わかった」で終わり、自分で解き直していない似た問題が出ても解けない。選択肢を少し変えられると崩れる
基礎の抜け物理・化学・生物の土台が抜けたまま暗記で積み上げている計算問題・構造式問題で手が止まる。応用問題がまるごと失点になる

模試の点数は「解いた問題の数」ではなく「弱点をどれだけ潰したか」に比例します。逆に言えば、点数が動かない期間が続いているなら、それは能力の限界ではなく、勉強の配分と復習の深さを設計し直すサインです。以下、実際にその設計をやり直して結果が変わった3つの実例を見ていきます。

実例1:模試150点台から弱点分類と週単位スケジュールで国家試験合格

1人目は、国家試験に不合格となり、就職先から「1年以内に合格できなければ内定取消」という条件を提示された既卒の方です。独学で模試を受けても総得点は150点台をさまよい、特に物理化学は壊滅的で、選択肢を見ても何を問われているのか分からない問題があるという状態でした。

指導ではまずチェックテストで理解度をすべて洗い出し、弱点と得意分野を精密に分類したうえで、週単位の学習スケジュールを作成しました。物理化学は公式を暗記するのではなく、導出過程を自分の口で説明できるまで演習し、反応速度や平衡の計算も「式」ではなく「意味」から理解する方針に切り替えています。比較的得意だった薬理は過去問の難問中心に演習して取りこぼしを減らし、総得点を底上げしました。毎回の授業で理解度を数値化したことで進歩が目に見えるようになり、開始3か月頃から模試の点数が伸び始め、苦手だった物理化学で初めて合格圏に届きます。最終的に国家試験に合格し、正式入社を果たしました。

詳しい経過は指導実例:条件付き就職と浪人生活のプレッシャーを乗り越えてで公開しています。

実例2:合格ライン未達から1日完結模試6回と逆流復習で258点

2人目は、城西大学薬学部に秋入学し、半年遅れのスタートから基礎が抜け落ちたままになっていた6年生です。物理・化学・生物の計算問題で手が止まり、模試では合格ラインに数点届かない結果が続いていました。

初回面談では、本人が持参した過去問や確認テストの結果を科目別・単元別に並べ替え、「ここを押さえれば合格ラインは超えられる」という優先順位を可視化するところから始めました。週1回120分の指導は、前半60分で基礎の抜けを解説と演習で埋め、後半60分で本試験形式の過去問50問を解いてその場で即添削、疑問を翌週に持ち越さないサイクルを固定します。ノートは「考え方→公式→例題→応用問題」の順に再構成し、直前期は応用問題から基本へさかのぼる「逆流復習」で理解の浅い箇所をピンポイントに補強しました。最終盤には1日完結型の模試を6回実施して時間配分を鍛え、本番では258点。苦手だった物理71%・化学74%・生物69%の正答率で合格しています。

経過の全文は指導実例:遅れを力に変えた逆転合格ストーリーにあります。

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実例3:模試下降中から知識を一本の軸で接続し3か月で過去問正答率9割超

3人目は、日本大学薬学部で卒業を1年延ばし、化学を中心に複数科目が崩壊、模試の成績が下降し続けていた方です。「何から手を付けても穴だらけ」という感覚で、努力しても結果がついてこない状態でした。

この方の場合、初回面談でこれまでのテストとノートをすべて単元ごとに分類し直し、「断片化した知識をつなげて、化学全体を貫く一本の理解の軸を通す」方針を立てました。週2回90分の演習指導では、基礎的な反応機構から医薬品の設計、臨床応用までを一気通貫で結びつけて説明し、演習はその場で添削する即解決型のサイクルを徹底。あわせて逆流復習で「わかったつもり」の箇所を一つずつ潰し、学習計画と生活リズムはスプレッドシートで毎日共有しました。その結果、3か月で化学の過去問正答率は9割を超え、薬理や製剤の点数も連鎖的に向上。卒業試験に一発合格し、国家試験は化学分野がほぼ満点という結果で合格しています。

詳細は指導実例:卒延からの逆転劇をご覧ください。

模試の正しい使い方:受けっぱなしにしない48時間ルールと伸びしろ計算

3つの実例に共通するのは、模試を「判定を見る道具」ではなく「弱点を特定する道具」として使い直した点です。自分で取り組む場合も、次の2つから始められます。

1つ目は48時間ルールです。模試を受けたら48時間以内に、間違えた問題を「知識がなかった」「知識はあったが使えなかった」「計算・読み違いのミス」の3種類に仕分けます。時間が経つほど「なぜ間違えたか」の記憶は薄れ、復習は解説を読むだけの浅いものになります。仕分けさえ済ませれば、その後の勉強は「知識がなかった単元を教材に戻って埋める」「使えなかった問題を解き直す」と、やることが具体的になります。

2つ目は分野別の伸びしろ計算です。総得点やE判定という結果だけを見ても次の行動は決まりません。分野ごとに「配点×現在の正答率」を出すと、たとえば正答率4割の必須・頻出分野は、正答率8割の得意分野を9割に磨くより、はるかに大きな得点源であることが数字で見えます。実例1で得意の薬理より壊滅状態の物理化学に時間を割いたのも、実例2で優先順位の可視化から始めたのも、この考え方です。

模試の点数が止まっている期間が2回以上続いているなら、勉強量を増やす前に、配分と復習の設計を一度見直してみてください。なお、判定基準や合格ラインの詳細は各模試・厚生労働省の公表情報など一次情報での確認をおすすめします。

模試の結果を持って、まず現状を整理しませんか

当センターの無料学習相談では、直近の模試結果をもとに、間違いの仕分けと分野別の伸びしろ計算を一緒に行い、残り期間で何をどの順で勉強すべきかを具体的にお伝えしています。紹介した3例のように、点数が止まっている原因は本人からは見えにくいものです。一人で抱え込まず、まず現状を聞かせてください。

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