【薬剤師国家試験 第111回 問35】子宮の縮みを抑えて早産を防ぐ薬は?|やさしく解説

監修久松 賢三ウェルズ家庭教師センター センター長プロフィール
最終更新: 2026-10-15

第111回薬剤師国家試験(2026年実施)の必須問題・問35です。まずは答えを見ずに、自分ならどれを選ぶか考えてみてください。

問題(第111回 問35)

切迫流・早産の治療に用いられる選択的アドレナリン β2 受容体刺激薬はどれか。1つ選べ。

  1. ピペリドレート
  2. ジノプロスト
  3. リトドリン
  4. オキシトシン
  5. レボノルゲストレル

何を聞いている?

切迫流産・切迫早産で、子宮の縮みを抑える薬を探します。子宮の筋肉のβ2の受け取り口(アドレナリンβ2受容体)を刺激する薬はどれでしょうか。

正解

正解

3 リトドリン

リトドリンは、子宮の筋肉のアドレナリンβ2受容体を刺激します。細胞内の伝達係(Gsタンパク質)が、cAMPを作る酵素(アデニル酸シクラーゼ)を強めます。すると細胞内の合図物質(cAMP)が増え、カルシウムイオン(Ca2+)が貯蔵場所に取り込まれます。子宮の筋肉(子宮平滑筋)の収縮が弱まります。

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選択肢を1つずつチェック

✕選択肢1

書いてあることピペリドレートは、アドレナリンβ2受容体を刺激する薬である。

本当はピペリドレートも切迫流産・切迫早産に使います。ただし、抗コリン作用(ムスカリン受容体遮断)などで子宮の収縮を抑えます。β2受容体を刺激する薬はリトドリンです。

✕選択肢2

書いてあることジノプロストは、アドレナリンβ2受容体を刺激する薬である。

本当はジノプロストは、子宮を収縮させるプロスタグランジンF2α製剤です。子宮のβ2受容体を刺激する薬はリトドリンです。

○選択肢3

書いてあることリトドリンは、アドレナリンβ2受容体を刺激する薬である。

本当はそのとおりです。リトドリンは子宮のβ2受容体を刺激し、子宮の収縮を抑えます。

✕選択肢4

書いてあることオキシトシンは、アドレナリンβ2受容体を刺激する薬である。

本当はオキシトシンは、子宮を収縮させるホルモンです。子宮のβ2受容体を刺激する薬はリトドリンです。

✕選択肢5

書いてあることレボノルゲストレルは、アドレナリンβ2受容体を刺激する薬である。

本当はレボノルゲストレルは合成黄体ホルモンです。主に排卵を抑えて避妊に働きます。子宮のβ2受容体を刺激する薬はリトドリンです。

ひっかけポイント

ピペリドレートも子宮の収縮を抑えます。しかし、問われているβ2受容体刺激薬はリトドリンです。

これだけ覚えよう

リトドリンは子宮のアドレナリンβ2受容体を刺激し、Gsタンパク質→cAMP増加を介して子宮収縮を抑えます。

ことばメモ

ことばやさしい意味
アドレナリンβ2受容体(子宮の筋肉のβ2の受け取り口)子宮平滑筋にある受容体です。リトドリンが刺激すると、Gsタンパク質を介してcAMPが増えます。
Gsタンパク質(細胞内の伝達係)リトドリンが刺激したβ2受容体の合図を伝えます。アデニル酸シクラーゼを強め、子宮平滑筋のcAMPを増やします。
cAMP(細胞内の合図物質)アデニル酸シクラーゼがATPから作る物質です。リトドリンによって子宮平滑筋で増え、収縮を抑える働きにつながります。

出典:厚生労働省ホームページ「第111回薬剤師国家試験問題及び解答」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198929.html)を加工して作成。問題文・選択肢の文言は原文のとおりに転記しています(PDFの下付き・上付き文字は再現し、改行位置や字組みは当ページ用に組み直しています)。正解の番号は厚生労働省が公表した正答に基づきます。解説は当サイトが独自に作成したもので、国が作成・確認したものではありません。

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