【薬剤師国家試験 第111回 問35】子宮の縮みを抑えて早産を防ぐ薬は?|やさしく解説
第111回薬剤師国家試験(2026年実施)の必須問題・問35です。まずは答えを見ずに、自分ならどれを選ぶか考えてみてください。
問題(第111回 問35)
切迫流・早産の治療に用いられる選択的アドレナリン β2 受容体刺激薬はどれか。1つ選べ。
- ピペリドレート
- ジノプロスト
- リトドリン
- オキシトシン
- レボノルゲストレル
何を聞いている?
切迫流産・切迫早産で、子宮の縮みを抑える薬を探します。子宮の筋肉のβ2の受け取り口(アドレナリンβ2受容体)を刺激する薬はどれでしょうか。
正解
正解
3 リトドリン
リトドリンは、子宮の筋肉のアドレナリンβ2受容体を刺激します。細胞内の伝達係(Gsタンパク質)が、cAMPを作る酵素(アデニル酸シクラーゼ)を強めます。すると細胞内の合図物質(cAMP)が増え、カルシウムイオン(Ca2+)が貯蔵場所に取り込まれます。子宮の筋肉(子宮平滑筋)の収縮が弱まります。
選択肢を1つずつチェック
✕選択肢1
書いてあることピペリドレートは、アドレナリンβ2受容体を刺激する薬である。
本当はピペリドレートも切迫流産・切迫早産に使います。ただし、抗コリン作用(ムスカリン受容体遮断)などで子宮の収縮を抑えます。β2受容体を刺激する薬はリトドリンです。
✕選択肢2
書いてあることジノプロストは、アドレナリンβ2受容体を刺激する薬である。
本当はジノプロストは、子宮を収縮させるプロスタグランジンF2α製剤です。子宮のβ2受容体を刺激する薬はリトドリンです。
○選択肢3
書いてあることリトドリンは、アドレナリンβ2受容体を刺激する薬である。
本当はそのとおりです。リトドリンは子宮のβ2受容体を刺激し、子宮の収縮を抑えます。
✕選択肢4
書いてあることオキシトシンは、アドレナリンβ2受容体を刺激する薬である。
本当はオキシトシンは、子宮を収縮させるホルモンです。子宮のβ2受容体を刺激する薬はリトドリンです。
✕選択肢5
書いてあることレボノルゲストレルは、アドレナリンβ2受容体を刺激する薬である。
本当はレボノルゲストレルは合成黄体ホルモンです。主に排卵を抑えて避妊に働きます。子宮のβ2受容体を刺激する薬はリトドリンです。
ひっかけポイント
ピペリドレートも子宮の収縮を抑えます。しかし、問われているβ2受容体刺激薬はリトドリンです。
これだけ覚えよう
ことばメモ
| ことば | やさしい意味 |
|---|---|
| アドレナリンβ2受容体(子宮の筋肉のβ2の受け取り口) | 子宮平滑筋にある受容体です。リトドリンが刺激すると、Gsタンパク質を介してcAMPが増えます。 |
| Gsタンパク質(細胞内の伝達係) | リトドリンが刺激したβ2受容体の合図を伝えます。アデニル酸シクラーゼを強め、子宮平滑筋のcAMPを増やします。 |
| cAMP(細胞内の合図物質) | アデニル酸シクラーゼがATPから作る物質です。リトドリンによって子宮平滑筋で増え、収縮を抑える働きにつながります。 |
出典:厚生労働省ホームページ「第111回薬剤師国家試験問題及び解答」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198929.html)を加工して作成。問題文・選択肢の文言は原文のとおりに転記しています(PDFの下付き・上付き文字は再現し、改行位置や字組みは当ページ用に組み直しています)。正解の番号は厚生労働省が公表した正答に基づきます。解説は当サイトが独自に作成したもので、国が作成・確認したものではありません。
