【薬剤師国家試験 第111回 問33】体内で効く形に変わり、立った時の血圧低下を防ぐ薬は?|やさしく解説

監修久松 賢三ウェルズ家庭教師センター センター長プロフィール
最終更新: 2026-10-09

第111回薬剤師国家試験(2026年実施)の必須問題・問33です。まずは答えを見ずに、自分ならどれを選ぶか考えてみてください。

問題(第111回 問33)

活性代謝物がアドレナリン α1 受容体を刺激することで、起立性低血圧を改善するのはどれか。1つ選べ。

  1. ドブタミン
  2. ミルリノン
  3. ミドドリン
  4. アメジニウム
  5. ブクラデシン

何を聞いている?

立つと血圧が下がる状態(起立性低血圧)に使う薬を選びます。薬が体内で変わった後、その物質が血管のアドレナリンα1受容体を刺激するのはどれか、という問題です。

正解

正解

3 ミドドリン

ミドドリンは体内で、薬効を示す物質(活性代謝物)のデスグリミドドリンに変わります。デスグリミドドリンは、血管の筋肉にあるアドレナリンα1受容体を刺激します。血管が縮むことで、立ったときの血圧低下を抑えます。アメジニウムも起立性低血圧に使いますが、働き方が違います。

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選択肢を1つずつチェック

✕選択肢1

書いてあることドブタミンの活性代謝物がアドレナリンα1受容体を刺激する。

本当は「活性代謝物がα1を刺激する」が違います。ドブタミンは主に心臓のアドレナリンβ1受容体を直接刺激し、心臓の収縮を強めます。

✕選択肢2

書いてあることミルリノンの活性代謝物がアドレナリンα1受容体を刺激する。

本当は「α1受容体を刺激する」が違います。ミルリノンは、cAMPを分解する酵素(ホスホジエステラーゼ3)を阻害します。心臓や血管の細胞内でcAMPが増えます。

○選択肢3

書いてあることミドドリンの活性代謝物がアドレナリンα1受容体を刺激する。

本当はそのとおりです。ミドドリンからできるデスグリミドドリンが、血管のα1受容体を刺激します。血管が縮み、起立時の血圧低下を抑えます。

✕選択肢4

書いてあることアメジニウムの活性代謝物がアドレナリンα1受容体を刺激する。

本当は「活性代謝物がα1を刺激する」が違います。アメジニウムは、神経の伝達物質(ノルアドレナリン)の再取り込みと不活性化を抑えます。ノルアドレナリンの働きを間接的に強める薬です。

✕選択肢5

書いてあることブクラデシンの活性代謝物がアドレナリンα1受容体を刺激する。

本当は「α1受容体を刺激する」が違います。ブクラデシンは、cAMPに似せて作った薬(cAMP誘導体)です。細胞内でcAMPと同じように働き、心臓の収縮を強めます。

ひっかけポイント

アメジニウムも起立性低血圧に使います。ただし、ノルアドレナリンの働きを間接的に強める薬です。活性代謝物がα1受容体を刺激するのはミドドリンです。

これだけ覚えよう

ミドドリン→活性代謝物デスグリミドドリン→血管のアドレナリンα1受容体を刺激→起立時の血圧低下を抑える。

ことばメモ

ことばやさしい意味
起立性低血圧立ち上がったときに血圧が下がり、立ちくらみなどが起こる状態です。
活性代謝物薬が体内で変化してできた、薬効を示す物質です。ミドドリンではデスグリミドドリンがこれに当たります。
アドレナリンα1受容体(血管を縮める合図の受け取り口)血管の筋肉などにある受容体です。デスグリミドドリンが刺激すると血管が縮み、血圧が上がります。
cAMP(環状AMP)細胞内で合図を伝える物質(環状AMP)です。ミルリノンは分解する酵素(ホスホジエステラーゼ3)を阻害して増やし、ブクラデシンはcAMPと同じように働く誘導体です。

出典:厚生労働省ホームページ「第111回薬剤師国家試験問題及び解答」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198929.html)を加工して作成。問題文・選択肢の文言は原文のとおりに転記しています(PDFの下付き・上付き文字は再現し、改行位置や字組みは当ページ用に組み直しています)。正解の番号は厚生労働省が公表した正答に基づきます。解説は当サイトが独自に作成したもので、国が作成・確認したものではありません。

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