【薬剤師国家試験 第111回 問32】心臓の電気が続く時間を変えない薬はどれ?|やさしく解説
第111回薬剤師国家試験(2026年実施)の必須問題・問32です。まずは答えを見ずに、自分ならどれを選ぶか考えてみてください。
問題(第111回 問32)
電位依存性 Na+ チャネルを遮断する抗不整脈薬のうち、心筋の活動電位持続時間に影響を及ぼさないのはどれか。1つ選べ。
- シベンゾリン
- ジソピラミド
- キニジン
- ピルシカイニド
- メキシレチン
何を聞いている?
心筋の電気の合図が続く時間(活動電位持続時間)を比べます。5つの薬は、心筋のNa+の通り道(電位依存性Na+チャネル)をふさぎます。その時間を延ばしも縮めもしない薬を選びます。
正解
正解
4 ピルシカイニド
ピルシカイニドは、心筋の電位依存性Na+チャネルを遮断します。Ic群抗不整脈薬に分類され、心筋の電気の立ち上がりを遅くします。一方、活動電位持続時間はほぼ変えません。ほかの4剤は、延ばすか縮めるかの違いがあります。
選択肢を1つずつチェック
✕選択肢1
書いてあることシベンゾリンは、心筋の活動電位持続時間を変えない。
本当は「変えない」が違います。シベンゾリンはIa群抗不整脈薬で、心筋の活動電位持続時間を延ばします。変えないのはピルシカイニドです。
✕選択肢2
書いてあることジソピラミドは、心筋の活動電位持続時間を変えない。
本当は「変えない」が違います。ジソピラミドはIa群抗不整脈薬で、心筋の活動電位持続時間を延ばします。変えないのはピルシカイニドです。
✕選択肢3
書いてあることキニジンは、心筋の活動電位持続時間を変えない。
本当は「変えない」が違います。キニジンはIa群抗不整脈薬で、心筋の活動電位持続時間を延ばします。変えないのはピルシカイニドです。
○選択肢4
書いてあることピルシカイニドは、心筋の活動電位持続時間を変えない。
本当はそのとおりです。ピルシカイニドは電位依存性Na+チャネルを遮断しますが、活動電位持続時間はほぼ変えません。
✕選択肢5
書いてあることメキシレチンは、心筋の活動電位持続時間を変えない。
本当は「変えない」が違います。メキシレチンはIb群抗不整脈薬で、心筋の活動電位持続時間を縮めます。変えないのはピルシカイニドです。
ひっかけポイント
5剤とも心筋の電位依存性Na+チャネルを遮断します。しかし、活動電位持続時間はIa群で延長、Ib群で短縮、Ic群でほぼ不変です。
これだけ覚えよう
ことばメモ
| ことば | やさしい意味 |
|---|---|
| 活動電位持続時間(心筋の電気の合図が続く時間) | 心筋細胞の電位が上がり始めてから、元の電位へ戻るまでの時間です。 |
| 電位依存性Na+チャネル(心筋のNa+の通り道) | 心筋細胞の膜の電位が変わると開き、Na+を細胞内へ通します。ピルシカイニドはここを遮断し、電気の立ち上がりを遅くします。 |
| Ia群抗不整脈薬 | シベンゾリン・ジソピラミド・キニジンが属します。心筋のNa+の流入を抑え、活動電位持続時間を延ばします。 |
| Ib群抗不整脈薬 | メキシレチンが属します。心筋のNa+の流入を抑え、活動電位持続時間を縮めます。 |
| Ic群抗不整脈薬 | ピルシカイニドが属します。心筋のNa+の流入を抑え、活動電位持続時間はほぼ変えません。 |
出典:厚生労働省ホームページ「第111回薬剤師国家試験問題及び解答」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198929.html)を加工して作成。問題文・選択肢の文言は原文のとおりに転記しています(PDFの下付き・上付き文字は再現し、改行位置や字組みは当ページ用に組み直しています)。正解の番号は厚生労働省が公表した正答に基づきます。解説は当サイトが独自に作成したもので、国が作成・確認したものではありません。
