【薬剤師国家試験 第111回 問32】心臓の電気が続く時間を変えない薬はどれ?|やさしく解説

監修久松 賢三ウェルズ家庭教師センター センター長プロフィール
最終更新: 2026-10-07

第111回薬剤師国家試験(2026年実施)の必須問題・問32です。まずは答えを見ずに、自分ならどれを選ぶか考えてみてください。

問題(第111回 問32)

電位依存性 Na+ チャネルを遮断する抗不整脈薬のうち、心筋の活動電位持続時間に影響を及ぼさないのはどれか。1つ選べ。

  1. シベンゾリン
  2. ジソピラミド
  3. キニジン
  4. ピルシカイニド
  5. メキシレチン

何を聞いている?

心筋の電気の合図が続く時間(活動電位持続時間)を比べます。5つの薬は、心筋のNa+の通り道(電位依存性Na+チャネル)をふさぎます。その時間を延ばしも縮めもしない薬を選びます。

正解

正解

4 ピルシカイニド

ピルシカイニドは、心筋の電位依存性Na+チャネルを遮断します。Ic群抗不整脈薬に分類され、心筋の電気の立ち上がりを遅くします。一方、活動電位持続時間はほぼ変えません。ほかの4剤は、延ばすか縮めるかの違いがあります。

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選択肢を1つずつチェック

✕選択肢1

書いてあることシベンゾリンは、心筋の活動電位持続時間を変えない。

本当は「変えない」が違います。シベンゾリンはIa群抗不整脈薬で、心筋の活動電位持続時間を延ばします。変えないのはピルシカイニドです。

✕選択肢2

書いてあることジソピラミドは、心筋の活動電位持続時間を変えない。

本当は「変えない」が違います。ジソピラミドはIa群抗不整脈薬で、心筋の活動電位持続時間を延ばします。変えないのはピルシカイニドです。

✕選択肢3

書いてあることキニジンは、心筋の活動電位持続時間を変えない。

本当は「変えない」が違います。キニジンはIa群抗不整脈薬で、心筋の活動電位持続時間を延ばします。変えないのはピルシカイニドです。

○選択肢4

書いてあることピルシカイニドは、心筋の活動電位持続時間を変えない。

本当はそのとおりです。ピルシカイニドは電位依存性Na+チャネルを遮断しますが、活動電位持続時間はほぼ変えません。

✕選択肢5

書いてあることメキシレチンは、心筋の活動電位持続時間を変えない。

本当は「変えない」が違います。メキシレチンはIb群抗不整脈薬で、心筋の活動電位持続時間を縮めます。変えないのはピルシカイニドです。

ひっかけポイント

5剤とも心筋の電位依存性Na+チャネルを遮断します。しかし、活動電位持続時間はIa群で延長、Ib群で短縮、Ic群でほぼ不変です。

これだけ覚えよう

電位依存性Na+チャネルを遮断する薬は、シベンゾリン・ジソピラミド・キニジン(Ia群)で延長、メキシレチン(Ib群)で短縮、ピルシカイニド(Ic群)でほぼ不変です。

ことばメモ

ことばやさしい意味
活動電位持続時間(心筋の電気の合図が続く時間)心筋細胞の電位が上がり始めてから、元の電位へ戻るまでの時間です。
電位依存性Na+チャネル(心筋のNa+の通り道)心筋細胞の膜の電位が変わると開き、Na+を細胞内へ通します。ピルシカイニドはここを遮断し、電気の立ち上がりを遅くします。
Ia群抗不整脈薬シベンゾリン・ジソピラミド・キニジンが属します。心筋のNa+の流入を抑え、活動電位持続時間を延ばします。
Ib群抗不整脈薬メキシレチンが属します。心筋のNa+の流入を抑え、活動電位持続時間を縮めます。
Ic群抗不整脈薬ピルシカイニドが属します。心筋のNa+の流入を抑え、活動電位持続時間はほぼ変えません。

出典:厚生労働省ホームページ「第111回薬剤師国家試験問題及び解答」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198929.html)を加工して作成。問題文・選択肢の文言は原文のとおりに転記しています(PDFの下付き・上付き文字は再現し、改行位置や字組みは当ページ用に組み直しています)。正解の番号は厚生労働省が公表した正答に基づきます。解説は当サイトが独自に作成したもので、国が作成・確認したものではありません。

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