【薬剤師国家試験 第111回 問27】リドカインはどうやって痛みを止める?|やさしく解説
第111回薬剤師国家試験(2026年実施)の必須問題・問27です。まずは答えを見ずに、自分ならどれを選ぶか考えてみてください。
問題(第111回 問27)
リドカインの局所麻酔作用の機序はどれか。1つ選べ。
- 電位依存性 Na+ チャネルの遮断
- 電位依存性 Ca2+ チャネルの遮断
- 電位依存性 K+ チャネルの活性化
- ヒスタミン H1 受容体の遮断
- オピオイド μ 受容体の刺激
何を聞いている?
リドカインは、使った場所の痛みを一時的に感じにくくします。この作用(局所麻酔作用)が、神経のどこで起こるかを問います。
正解
正解
1 電位依存性Na⁺チャネルの遮断
リドカインは、神経のナトリウムの通り道(電位依存性Na+チャネル)をふさぎます。すると、ナトリウムイオン(Na+)が神経細胞へ入りにくくなります。痛みを運ぶ電気信号(活動電位)が、神経を伝わりにくくなります。その結果、リドカインを使った場所の痛みを感じにくくなります。
選択肢を1つずつチェック
○選択肢1
書いてあることリドカインが電位依存性Na+チャネルを遮断する。
本当はそのとおりです。リドカインはNa+の流入を抑え、痛みの電気信号が伝わるのを妨げます。
✕選択肢2
書いてあることリドカインが電位依存性Ca2+チャネルを遮断する。
本当はリドカインの局所麻酔作用でふさぐのは、Ca2+ではなくNa+の通り道です。電位依存性Ca2+チャネルを遮断する薬には、ベラパミルがあります。
✕選択肢3
書いてあることリドカインが電位依存性K+チャネルを活性化する。
本当は「K+チャネルを活性化する」が違います。リドカインは電位依存性Na+チャネルをふさぎます。
✕選択肢4
書いてあることリドカインがヒスタミンH1受容体を遮断する。
本当は「H1受容体を遮断する」が違います。ジフェンヒドラミンなどはH1受容体をふさぎます。リドカインが局所麻酔でふさぐのは、電位依存性Na+チャネルです。
✕選択肢5
書いてあることリドカインがオピオイドμ受容体を刺激する。
本当は「オピオイドμ受容体を刺激する」が違います。モルヒネはμ受容体を刺激します。リドカインは電位依存性Na+チャネルをふさぎます。
ひっかけポイント
リドカインで痛みが減っても、μ受容体を刺激するモルヒネとは作用点が違います。リドカインがふさぐのは電位依存性Na+チャネルです。
これだけ覚えよう
ことばメモ
| ことば | やさしい意味 |
|---|---|
| 局所麻酔作用 | リドカインを使った場所で、痛みなどの感覚を一時的に伝わりにくくする作用です。 |
| 電位依存性Na+チャネル(神経のナトリウムの通り道) | 神経細胞の電圧が変わると開き、Na+を細胞内へ通します。リドカインはこの通り道をふさぎます。 |
| 活動電位(痛みを運ぶ電気信号) | Na+などの移動で生じ、神経を伝わる電気信号です。リドカインはその伝達を妨げます。 |
出典:厚生労働省ホームページ「第111回薬剤師国家試験問題及び解答」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198929.html)を加工して作成。問題文・選択肢の文言は原文のとおりに転記しています(PDFの下付き・上付き文字は再現し、改行位置や字組みは当ページ用に組み直しています)。正解の番号は厚生労働省が公表した正答に基づきます。解説は当サイトが独自に作成したもので、国が作成・確認したものではありません。
