【薬剤師国家試験 第111回 問27】リドカインはどうやって痛みを止める?|やさしく解説

監修久松 賢三ウェルズ家庭教師センター センター長プロフィール
最終更新: 2026-09-30

第111回薬剤師国家試験(2026年実施)の必須問題・問27です。まずは答えを見ずに、自分ならどれを選ぶか考えてみてください。

問題(第111回 問27)

リドカインの局所麻酔作用の機序はどれか。1つ選べ。

  1. 電位依存性 Na+ チャネルの遮断
  2. 電位依存性 Ca2+ チャネルの遮断
  3. 電位依存性 K+ チャネルの活性化
  4. ヒスタミン H1 受容体の遮断
  5. オピオイド μ 受容体の刺激

何を聞いている?

リドカインは、使った場所の痛みを一時的に感じにくくします。この作用(局所麻酔作用)が、神経のどこで起こるかを問います。

正解

正解

1 電位依存性Na⁺チャネルの遮断

リドカインは、神経のナトリウムの通り道(電位依存性Na+チャネル)をふさぎます。すると、ナトリウムイオン(Na+)が神経細胞へ入りにくくなります。痛みを運ぶ電気信号(活動電位)が、神経を伝わりにくくなります。その結果、リドカインを使った場所の痛みを感じにくくなります。

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選択肢を1つずつチェック

○選択肢1

書いてあることリドカインが電位依存性Na+チャネルを遮断する。

本当はそのとおりです。リドカインはNa+の流入を抑え、痛みの電気信号が伝わるのを妨げます。

✕選択肢2

書いてあることリドカインが電位依存性Ca2+チャネルを遮断する。

本当はリドカインの局所麻酔作用でふさぐのは、Ca2+ではなくNa+の通り道です。電位依存性Ca2+チャネルを遮断する薬には、ベラパミルがあります。

✕選択肢3

書いてあることリドカインが電位依存性K+チャネルを活性化する。

本当は「K+チャネルを活性化する」が違います。リドカインは電位依存性Na+チャネルをふさぎます。

✕選択肢4

書いてあることリドカインがヒスタミンH1受容体を遮断する。

本当は「H1受容体を遮断する」が違います。ジフェンヒドラミンなどはH1受容体をふさぎます。リドカインが局所麻酔でふさぐのは、電位依存性Na+チャネルです。

✕選択肢5

書いてあることリドカインがオピオイドμ受容体を刺激する。

本当は「オピオイドμ受容体を刺激する」が違います。モルヒネはμ受容体を刺激します。リドカインは電位依存性Na+チャネルをふさぎます。

ひっかけポイント

リドカインで痛みが減っても、μ受容体を刺激するモルヒネとは作用点が違います。リドカインがふさぐのは電位依存性Na+チャネルです。

これだけ覚えよう

リドカインの局所麻酔作用=電位依存性Na+チャネルを遮断し、痛みの電気信号を伝わりにくくする。

ことばメモ

ことばやさしい意味
局所麻酔作用リドカインを使った場所で、痛みなどの感覚を一時的に伝わりにくくする作用です。
電位依存性Na+チャネル(神経のナトリウムの通り道)神経細胞の電圧が変わると開き、Na+を細胞内へ通します。リドカインはこの通り道をふさぎます。
活動電位(痛みを運ぶ電気信号)Na+などの移動で生じ、神経を伝わる電気信号です。リドカインはその伝達を妨げます。

出典:厚生労働省ホームページ「第111回薬剤師国家試験問題及び解答」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198929.html)を加工して作成。問題文・選択肢の文言は原文のとおりに転記しています(PDFの下付き・上付き文字は再現し、改行位置や字組みは当ページ用に組み直しています)。正解の番号は厚生労働省が公表した正答に基づきます。解説は当サイトが独自に作成したもので、国が作成・確認したものではありません。

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