【薬剤師国家試験 第111回 問26】Giという伝達係と手をつなぐ受け取り口はどれ?|やさしく解説

監修久松 賢三ウェルズ家庭教師センター センター長プロフィール
最終更新: 2026-09-29

第111回薬剤師国家試験(2026年実施)の必須問題・問26です。まずは答えを見ずに、自分ならどれを選ぶか考えてみてください。

問題(第111回 問26)

Gi タンパク質共役型受容体はどれか。1つ選べ。

  1. アドレナリン α2 受容体
  2. アセチルコリン M3 受容体
  3. γ-アミノ酪酸 GABAA 受容体
  4. ヒスタミン H2 受容体
  5. インスリン受容体

何を聞いている?

細胞の表面には、外からの合図を受け取る「受け取り口」(受容体)があります。その一部は、細胞の中の「伝達係」(Gタンパク質)と手をつなぎます。この問題は、伝達係のうちGi タンパク質と手をつなぐ受け取り口(Gi タンパク質共役型受容体)を選ぶ問題です。

正解

正解

1 アドレナリンα₂受容体

アドレナリンα2受容体は、Gi タンパク質と手をつなぐ受け取り口です。合図を受けると、Gi タンパク質が、アデニル酸シクラーゼという酵素の働きを抑えます。この酵素は、cAMP(細胞の中で合図を伝える小さな物質)を作る酵素です。その結果、細胞の中の cAMP が減ります。ほかの4つは、Gi タンパク質とは別の方法で合図を伝えます。

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選択肢を1つずつチェック

○選択肢1

書いてあることアドレナリンα2受容体(アドレナリンのα₂の受け取り口)

本当はそのとおりです。α2受容体は Gi タンパク質と手をつなぎ、cAMP を減らす方向に合図を伝えます。同じアドレナリンの受け取り口でも、β2受容体は Gs タンパク質と手をつなぎ、cAMP を増やします。α2とβ2で向きが逆です(同じαでもα1はGqです)。

✕選択肢2

書いてあることアセチルコリンM3受容体(アセチルコリンのM3の受け取り口)

本当はGi ではなく、Gq タンパク質と手をつなぎます。Gq タンパク質はホスホリパーゼCという酵素を働かせ、細胞の中のカルシウム(Ca2+)を増やす合図につなげます。だ液の分泌や、平滑筋(内臓の筋肉)の収縮に関わります。

✕選択肢3

書いてあることγ-アミノ酪酸(GABA)のGABAA受容体

本当はGタンパク質共役型ではありません。イオンチャネル型受容体といって、受け取り口そのものが塩化物イオン(Cl–)の通り道になっています。合図を受けると通り道が開き、Cl–が細胞に入ります。伝達係の Gi タンパク質は使いません。

✕選択肢4

書いてあることヒスタミンH2受容体(ヒスタミンのH2の受け取り口)

本当はGi ではなく、Gs タンパク質と手をつなぎます。Gs はアデニル酸シクラーゼを強めて cAMP を増やす方向に働きます。胃の壁細胞で、胃酸を出す合図に関わります。

✕選択肢5

書いてあることインスリン受容体

本当はGタンパク質共役型ではありません。受け取り口そのものが酵素(チロシンキナーゼ)を持つ「受容体型チロシンキナーゼ」です。合図を受けると、受け取り口自身がたんぱく質にリン酸をつけて、合図を伝えます。

ひっかけポイント

M3(Gq)とH2(Gs)も、Gタンパク質と手をつなぐ受け取り口です。「Gタンパク質共役型かどうか」だけで選ぶと迷います。問われているのは、どの伝達係か(Gi)です。

これだけ覚えよう

Gi タンパク質と手をつなぐのはアドレナリンα2受容体(アデニル酸シクラーゼを抑えて cAMP が減る)。α1とM3は Gq、H2とβ2は Gs。

ことばメモ

ことばやさしい意味
受容体(受け取り口)細胞の外から来た合図(ホルモンや神経伝達物質など)を受け取るたんぱく質です。多くは細胞の表面にあります。
Gタンパク質(伝達係)受容体が受けた合図を、細胞の中へ伝えるたんぱく質です。Gs・Gi・Gq などの種類があります。
Gi タンパク質アデニル酸シクラーゼを抑えて、cAMP を減らす方向に合図を伝える G タンパク質です。
cAMP(環状AMP)アデニル酸シクラーゼが ATP から作る、細胞の中で合図を伝える小さな物質です。
イオンチャネル型受容体受け取り口そのものがイオンの通り道になっているタイプです。合図を受けると通り道が開きます。

出典:厚生労働省ホームページ「第111回薬剤師国家試験問題及び解答」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198929.html)を加工して作成。問題文・選択肢の文言は原文のとおりに転記しています(PDFの下付き・上付き文字は再現し、改行位置や字組みは当ページ用に組み直しています)。正解の番号は厚生労働省が公表した正答に基づきます。解説は当サイトが独自に作成したもので、国が作成・確認したものではありません。

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