【薬剤師国家試験 第111回 問36】消化を助ける成分を大腸に増やす便秘薬は?|やさしく解説

監修久松 賢三ウェルズ家庭教師センター センター長プロフィール
最終更新: 2026-10-16

第111回薬剤師国家試験(2026年実施)の必須問題・問36です。まずは答えを見ずに、自分ならどれを選ぶか考えてみてください。

問題(第111回 問36)

胆汁酸トランスポーターを阻害し、大腸管腔内の胆汁酸量を増加させることで便秘を改善するのはどれか。1つ選べ。

  1. ルビプロストン
  2. リナクロチド
  3. エロビキシバット
  4. トリメブチン
  5. ラモセトロン

何を聞いている?

便秘を改善する薬を、働く場所と仕組みから選ぶ問題です。小腸の終わり(回腸末端部)で、胆汁酸の回収口(回腸胆汁酸トランスポーター、IBAT)をふさぐ薬を探します。

正解

正解

3 エロビキシバット

エロビキシバットは、小腸の終わりにあるIBATを阻害します。すると胆汁酸が小腸で回収されにくくなります。その分、大腸へ流れ込む胆汁酸が増えます。胆汁酸は大腸への水分分泌と腸の動きを促し、便秘を改善します。

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選択肢を1つずつチェック

✕選択肢1

書いてあることルビプロストンがIBATを阻害して胆汁酸を増やす。

本当はIBATを阻害するのはエロビキシバットです。ルビプロストンは腸の塩化物イオンの通り道(ClC-2クロライドチャネル)を活性化し、水分分泌を促します。

✕選択肢2

書いてあることリナクロチドがIBATを阻害して胆汁酸を増やす。

本当はIBATを阻害するのはエロビキシバットです。リナクロチドは腸の受け取り口(グアニル酸シクラーゼC受容体、GC-C)を刺激し、cGMPを増やして水分分泌を促します。

○選択肢3

書いてあることエロビキシバットがIBATを阻害して大腸の胆汁酸を増やす。

本当はそのとおりです。エロビキシバットは回腸末端部で胆汁酸の再吸収を抑え、大腸へ届く胆汁酸を増やします。

✕選択肢4

書いてあることトリメブチンがIBATを阻害して胆汁酸を増やす。

本当はIBATを阻害するのはエロビキシバットです。トリメブチンはオピオイド受容体などへの作用を通じて、消化管の動きを調節します。

✕選択肢5

書いてあることラモセトロンがIBATを阻害して胆汁酸を増やす。

本当はIBATを阻害するのはエロビキシバットです。ラモセトロンはセロトニン5-HT3受容体をふさぎ、下痢型過敏性腸症候群の症状を改善します。

ひっかけポイント

ルビプロストンとリナクロチドも便秘に使います。ただし、大腸へ届く胆汁酸を増やすIBAT阻害薬はエロビキシバットです。

これだけ覚えよう

エロビキシバット=回腸末端部のIBAT阻害→胆汁酸の再吸収が減る→大腸の胆汁酸が増えて便秘を改善します。

ことばメモ

ことばやさしい意味
回腸胆汁酸トランスポーター(IBAT)小腸の終わりで、胆汁酸を腸の中から体内へ再吸収する運び手です。エロビキシバットはIBATを阻害します。
胆汁酸小腸で脂肪の消化・吸収を助ける物質です。大腸に届く量が増えると、水分分泌と消化管運動を促します。
グアニル酸シクラーゼC受容体(GC-C)リナクロチドが刺激する腸の受容体です。刺激されると細胞内のcGMPが増え、腸への水分分泌につながります。

出典:厚生労働省ホームページ「第111回薬剤師国家試験問題及び解答」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198929.html)を加工して作成。問題文・選択肢の文言は原文のとおりに転記しています(PDFの下付き・上付き文字は再現し、改行位置や字組みは当ページ用に組み直しています)。正解の番号は厚生労働省が公表した正答に基づきます。解説は当サイトが独自に作成したもので、国が作成・確認したものではありません。

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