【薬剤師国家試験 第111回 問34】血のかたまりを作る合図を止める薬は?|やさしく解説

監修久松 賢三ウェルズ家庭教師センター センター長プロフィール
最終更新: 2026-10-14

第111回薬剤師国家試験(2026年実施)の必須問題・問34です。まずは答えを見ずに、自分ならどれを選ぶか考えてみてください。

問題(第111回 問34)

ADP P2Y12 受容体を遮断して、血小板凝集を抑制するのはどれか。1つ選べ。

  1. ジピリダモール
  2. オザグレル
  3. ベラプロスト
  4. プラスグレル
  5. サルポグレラート

何を聞いている?

血を固める小さな成分(血小板)は、ADPの合図で集まります。血小板にあるADPの受け取り口(P2Y12受容体)をふさぐ薬を選ぶ問題です。

正解

正解

4 プラスグレル

プラスグレルは、体内で効き目のある形(活性代謝物)に変わります。その活性代謝物が、血小板のP2Y12受容体をふさぎます。するとADPの合図が伝わりにくくなり、血小板が集まる働き(血小板凝集)が抑えられます。

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選択肢を1つずつチェック

✕選択肢1

書いてあることジピリダモールがADP P2Y12受容体をふさぐ。

本当はジピリダモールはP2Y12受容体をふさぎません。cAMPを分解する酵素(ホスホジエステラーゼ)を抑え、血小板凝集を抑制します。

✕選択肢2

書いてあることオザグレルがADP P2Y12受容体をふさぐ。

本当はオザグレルが止めるのは、トロンボキサン合成酵素です。血小板を集める物質(トロンボキサンA2)が減ります。P2Y12受容体はふさぎません。

✕選択肢3

書いてあることベラプロストがADP P2Y12受容体をふさぐ。

本当はベラプロストは、プロスタサイクリン受容体を刺激します。血小板内のcAMPが増え、血小板凝集が抑えられます。P2Y12受容体はふさぎません。

○選択肢4

書いてあることプラスグレルがADP P2Y12受容体をふさぐ。

本当はそのとおりです。プラスグレルの活性代謝物が、血小板のP2Y12受容体をふさぎます。ADPによる血小板凝集を抑えます。

✕選択肢5

書いてあることサルポグレラートがADP P2Y12受容体をふさぐ。

本当はサルポグレラートがふさぐのは、セロトニン5-HT2A受容体です。セロトニンによる血小板凝集を抑えます。P2Y12受容体はふさぎません。

ひっかけポイント

5つとも血小板凝集に関わる薬です。ADP P2Y12受容体をふさぐのは、プラスグレルです。

これだけ覚えよう

プラスグレルの活性代謝物は、血小板のADP P2Y12受容体を不可逆的にふさぎ、血小板凝集を抑えます。

ことばメモ

ことばやさしい意味
ADP(アデノシン二リン酸)血小板のP2Y12受容体に結合し、血小板が集まる合図を伝える物質です。
P2Y12受容体(ADPの受け取り口)血小板にあるADP受容体です。ADPが結合すると、Giタンパク質を介してアデニル酸シクラーゼが抑えられ、cAMPが減ります。
活性代謝物(体内で効き目のある形に変わった物質)プラスグレルが体内で変化してできる物質です。血小板のP2Y12受容体を選択的かつ不可逆的に阻害します。

出典:厚生労働省ホームページ「第111回薬剤師国家試験問題及び解答」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198929.html)を加工して作成。問題文・選択肢の文言は原文のとおりに転記しています(PDFの下付き・上付き文字は再現し、改行位置や字組みは当ページ用に組み直しています)。正解の番号は厚生労働省が公表した正答に基づきます。解説は当サイトが独自に作成したもので、国が作成・確認したものではありません。

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