【薬剤師国家試験 第111回 問31】呼吸を動かす脳に直接働く薬はどれ?|やさしく解説
第111回薬剤師国家試験(2026年実施)の必須問題・問31です。まずは答えを見ずに、自分ならどれを選ぶか考えてみてください。
問題(第111回 問31)
延髄の呼吸中枢を直接刺激して、呼吸を促進させるのはどれか。1つ選べ。
- チペピジン
- オキシメテバノール
- レバロルファン
- フルマゼニル
- ジモルホラミン
何を聞いている?
呼吸は、脳の「呼吸の司令塔」(延髄の呼吸中枢)が「吸って・吐いて」と休まず命令を出すことで続いています。この問題は「その司令塔を直接はげまして、呼吸を強くする薬はどれ?」と聞いています。
正解
正解
5 ジモルホラミン
手術の麻酔が残っていたり、薬を飲みすぎたりすると、司令塔の命令が弱まり、呼吸が浅く遅くなります。立て直す方法は2つあります。原因になった薬の効き目を打ち消す方法(拮抗薬)と、司令塔そのものを直接はげます方法(呼吸促進薬。呼吸興奮薬ともいいます)です。ジモルホラミンは、延髄の呼吸中枢を直接はげます呼吸促進薬(呼吸興奮薬)です。
選択肢を1つずつチェック
✕選択肢1
書いてあることチペピジン
本当はせき止め(中枢性鎮咳薬)です。せきの命令をしずめる薬で、呼吸の司令塔をはげます薬ではありません。
✕選択肢2
書いてあることオキシメテバノール
本当はこれもせき止め(麻薬性鎮咳薬)です。呼吸を強くする薬ではありません。
✕選択肢3
書いてあることレバロルファン
本当は強い痛み止め(麻薬性鎮痛薬、オピオイド)で弱まった呼吸を、その効き目を打ち消して戻す薬(オピオイド拮抗薬)です。司令塔を直接はげますわけではありません。
✕選択肢4
書いてあることフルマゼニル
本当は睡眠薬・抗不安薬(ベンゾジアゼピン系薬)の効き目を打ち消す薬(ベンゾジアゼピン受容体拮抗薬)です。これも司令塔を直接はげます薬ではありません。
○選択肢5
書いてあることジモルホラミン
本当は延髄の呼吸中枢を直接はげまして、呼吸を強くする呼吸促進薬(呼吸興奮薬)です。これが正解です。
ひっかけポイント
3と4も、結果として呼吸が戻ることがあります。でもそれは「原因の薬を打ち消した」(拮抗した)からで、「直接はげました」わけではありません。
これだけ覚えよう
ことばメモ
| ことば | やさしい意味 |
|---|---|
| 呼吸の司令塔(延髄の呼吸中枢) | 脳の一番下で、脊髄につながる部分(延髄)にあり、呼吸の命令を出す部分です。 |
| 拮抗薬 | 受容体にくっついて、ほかの薬や物質の効き目を打ち消す薬です。 |
出典:厚生労働省ホームページ「第111回薬剤師国家試験問題及び解答」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198929.html)を加工して作成。問題文・選択肢の文言は原文のとおりに転記しています(PDFの下付き・上付き文字は再現し、改行位置や字組みは当ページ用に組み直しています)。正解の番号は厚生労働省が公表した正答に基づきます。解説は当サイトが独自に作成したもので、国が作成・確認したものではありません。
