【薬剤師国家試験 第111回 問30】てんかんの薬は脳の何に結びつく?|やさしく解説
第111回薬剤師国家試験(2026年実施)の必須問題・問30です。まずは答えを見ずに、自分ならどれを選ぶか考えてみてください。
問題(第111回 問30)
抗てんかん薬レベチラセタムの主な作用点はどれか。1つ選べ。
- 電位依存性 Na+ チャネル
- シナプス小胞タンパク質 2A(SV2A)
- グルタミン酸 NMDA 受容体
- 炭酸脱水酵素
- γ-アミノ酪酸(GABA)トランスアミナーゼ
何を聞いている?
レベチラセタムが、脳のどこに結びついて発作を抑えるかを聞いています。答えは、神経の伝言袋にあるタンパク質(シナプス小胞タンパク質2A、SV2A)です。
正解
正解
2 シナプス小胞タンパク質2A(SV2A)
レベチラセタムは、神経の伝言袋(シナプス小胞)にあるSV2Aに結びつきます。SV2Aは、神経が伝言物質(神経伝達物質)を放出する調節に関わります。レベチラセタムとSV2Aの結合が、てんかん発作を抑える作用に関わると考えられています。結合した後の詳しい仕組みは、まだ解明されていません。
選択肢を1つずつチェック
✕選択肢1
書いてあることレベチラセタムの主な作用点は、電位依存性Na+チャネル。
本当は作用点が違います。電位依存性Na+チャネルをふさぐ薬には、カルバマゼピンがあります。レベチラセタムが主に結びつくのはSV2Aです。
○選択肢2
書いてあることレベチラセタムの主な作用点は、シナプス小胞タンパク質2A(SV2A)。
本当はそのとおりです。レベチラセタムは、神経の伝言袋にあるSV2Aに結びつきます。
✕選択肢3
書いてあることレベチラセタムの主な作用点は、グルタミン酸NMDA受容体。
本当は作用点が違います。グルタミン酸NMDA受容体をふさぐ薬には、メマンチンがあります。レベチラセタムの主な結合先はSV2Aです。
✕選択肢4
書いてあることレベチラセタムの主な作用点は、炭酸脱水酵素。
本当は作用点が違います。炭酸脱水酵素を阻害する薬には、アセタゾラミドがあります。レベチラセタムの主な結合先はSV2Aです。
✕選択肢5
書いてあることレベチラセタムの主な作用点は、γ-アミノ酪酸(GABA)トランスアミナーゼ。
本当は作用点が違います。GABAを分解する酵素(GABAトランスアミナーゼ)を阻害する薬は、ビガバトリンです。レベチラセタムの主な結合先はSV2Aです。
ひっかけポイント
1・4・5にも、てんかん治療に使う薬の作用点が並んでいます。レベチラセタムは、Na+チャネルやGABA分解酵素ではなく、SV2Aに結びつきます。
これだけ覚えよう
ことばメモ
| ことば | やさしい意味 |
|---|---|
| シナプス小胞タンパク質2A(SV2A) | 神経伝達物質を入れる袋(シナプス小胞)にあるタンパク質です。神経伝達物質の放出調節に関わり、レベチラセタムが結びつきます。 |
| 電位依存性Na+チャネル | 神経の膜の電気的な状態が変わると開き、Na+を通すタンパク質です。カルバマゼピンはここをふさぎ、神経の興奮が続くのを抑えます。 |
| GABAトランスアミナーゼ | 脳の興奮を抑える物質(γ-アミノ酪酸、GABA)を分解する酵素です。ビガバトリンはこの酵素を阻害し、脳内のGABAを増やします。 |
出典:厚生労働省ホームページ「第111回薬剤師国家試験問題及び解答」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198929.html)を加工して作成。問題文・選択肢の文言は原文のとおりに転記しています(PDFの下付き・上付き文字は再現し、改行位置や字組みは当ページ用に組み直しています)。正解の番号は厚生労働省が公表した正答に基づきます。解説は当サイトが独自に作成したもので、国が作成・確認したものではありません。
