【薬剤師国家試験 第111回 問29】統合失調症の薬で、震えやこわばりが起きにくいのは?|やさしく解説

監修久松 賢三ウェルズ家庭教師センター センター長プロフィール
最終更新: 2026-10-02

第111回薬剤師国家試験(2026年実施)の必須問題・問29です。まずは答えを見ずに、自分ならどれを選ぶか考えてみてください。

問題(第111回 問29)

セロトニン 5-HT2A 受容体を遮断するため、錐体外路症状が最も発現しにくい統合失調症治療薬はどれか。1つ選べ。

  1. ハロペリドール
  2. フルフェナジン
  3. タンドスピロン
  4. リスペリドン
  5. エスシタロプラム

何を聞いている?

統合失調症の薬を、手足のふるえや筋肉のこわばり(錐体外路症状)の出やすさで比べます。セロトニンの受け取り口(5-HT2A受容体)をふさぐ薬が手がかりです。

正解

正解

4 リスペリドン

リスペリドンは、セロトニン5-HT2A受容体をふさぎます。これにより、脳の運動調節に関わる線条体で、ドパミンの放出が抑えられにくくなります。そのため、ドパミンD2受容体を主にふさぐハロペリドールなどより、錐体外路症状が出にくい薬です。リスペリドンもD2受容体をふさぐので、錐体外路症状が全く出ないわけではありません。

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選択肢を1つずつチェック

✕選択肢1

書いてあることハロペリドールが、錐体外路症状の最も出にくい統合失調症治療薬。

本当は違います。ハロペリドールはドパミンD2受容体を強くふさぎます。線条体でもドパミンの働きを抑えるため、錐体外路症状が出やすい薬です。この問題の5-HT2A受容体をふさぐ薬はリスペリドンです。

✕選択肢2

書いてあることフルフェナジンが、錐体外路症状の最も出にくい統合失調症治療薬。

本当は違います。フルフェナジンもドパミンD2受容体を強くふさぎ、錐体外路症状が出やすい薬です。5-HT2A受容体の遮断が選ぶ理由になるのは、リスペリドンです。

✕選択肢3

書いてあることタンドスピロンが、5-HT2A受容体をふさぐ統合失調症治療薬。

本当は違います。タンドスピロンは、主にセロトニン5-HT1A受容体を刺激する抗不安薬です。5-HT2A受容体をふさぐ統合失調症治療薬はリスペリドンです。

○選択肢4

書いてあることリスペリドンが、5-HT2A受容体をふさぐ統合失調症治療薬。

本当はそのとおりです。リスペリドンは5-HT2A受容体とドパミンD2受容体をふさぎます。5-HT2A受容体の遮断は、線条体でのドパミン放出を保つ方向に働きます。

✕選択肢5

書いてあることエスシタロプラムが、5-HT2A受容体をふさぐ統合失調症治療薬。

本当は違います。エスシタロプラムは、セロトニンを神経に回収する運び手(セロトニントランスポーター)をふさぐ抗うつ薬です。5-HT2A受容体をふさぐ統合失調症治療薬はリスペリドンです。

ひっかけポイント

タンドスピロンとエスシタロプラムも、セロトニンに関わる薬です。ただし、タンドスピロンは5-HT1A受容体、エスシタロプラムはセロトニントランスポーターに作用します。

これだけ覚えよう

リスペリドン=5-HT2A・D2受容体を遮断し、ハロペリドールなどより錐体外路症状が出にくい。

ことばメモ

ことばやさしい意味
セロトニン5-HT2A受容体セロトニンの合図を受け取る受容体の一種です。リスペリドンはこの受容体を遮断します。
ドパミンD2受容体ドパミンの合図を受け取る受容体の一種です。リスペリドンやハロペリドールがこの受容体を遮断します。
錐体外路症状線条体などでのドパミンD2受容体の遮断に関連する、手足のふるえや筋肉のこわばりなどの運動症状です。

出典:厚生労働省ホームページ「第111回薬剤師国家試験問題及び解答」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198929.html)を加工して作成。問題文・選択肢の文言は原文のとおりに転記しています(PDFの下付き・上付き文字は再現し、改行位置や字組みは当ページ用に組み直しています)。正解の番号は厚生労働省が公表した正答に基づきます。解説は当サイトが独自に作成したもので、国が作成・確認したものではありません。

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