厚生労働省が考えている、今後の薬剤師国家試験とは?

監修久松 賢三ウェルズ家庭教師センター センター長プロフィール
最終更新: 2026-08-10

薬剤師国家試験は、薬剤師を目指す皆さんにとって大きな挑戦です。試験の概要をしっかり理解し、万全の準備を進めることが合格への近道になります。ここでは厚生労働省の公式発表をもとに、試験の概要と今後の見直しの方向性を整理しました。

薬剤師国家試験は、薬剤師が「医療の担い手」として必要な知識・技能を持っているかを評価するものです。今後は実践的な内容がより重視され、試験の公平性や信頼性を高めるための改訂が進みます。試験だけでなく、合格後の生涯学習も欠かせません。

概要

薬剤師国家試験の試験日程と形式

  • 試験実施日:毎年3月上旬の土日(2日間)
  • 合格発表:3月末
  • 問題数:345問(マークシート方式)
    • 必須問題:90問(基礎知識を問う)
    • 一般問題:255問(理論問題・実践問題)

出題範囲(厚生労働省発表)

  • 必須問題試験(90問)
    • 物理・化学・生物(15問)
    • 衛生(10問)
    • 薬理(15問)
    • 薬剤(15問)
    • 病態・薬物治療(15問)
    • 法規・制度・倫理(10問)
    • 実務(10問)
  • 一般問題(255問)
    • 薬学理論問題試験(105問)
    • 薬学実践問題試験(150問)

最新の合格基準

科目ごとの足切り基準あり(各科目30%以上の得点が必要)で、相対評価方式を採用(過去の試験結果を基に合格ラインが設定される)しています。加えて必須問題は70%以上の得点が必須です。

今後の薬剤師国家試験はどう変わるのか

薬剤師の役割と必要なスキル

薬剤師は、単に薬を調剤するだけではなく、以下のような役割を果たします。

  • 地域医療の担い手:高齢化が進む中、患者が住み慣れた地域で医療を受けられるように支援する。
  • チーム医療への貢献:医師や看護師と連携し、薬物療法や医療安全の確保に関与する。
  • 倫理観の向上:患者の命に関わる職業であるため、強い責任感と倫理観が求められる。

これらの役割を果たすために、薬剤師国家試験ではより実践的な知識とスキルを確認することが求められています。

試験内容の見直し

現在の薬剤師国家試験には、以下のような課題が指摘されています。

  • 合格率のバラつき:年度によって合格率の変動が大きく、試験の難易度が一定でない。
  • 実践力の確認不足:試験の内容が、現場で求められる知識やスキルと必ずしも一致していない。
  • 一部の問題の難易度が高すぎる:標準的な知識とはかけ離れた問題が含まれることがある。

これを改善するため、以下のような変更が行われます。

  1. 試験問題の工夫
    • 実際の患者情報をもとにした問題を出題し、現場で役立つ知識を確認。
    • 画像やイラストを活用し、実務的な判断力を問う。
  2. 合格基準の見直し
    • これまでの「絶対評価(◯点以上で合格)」から「相対評価(全体の平均点と比較)」に変更。
    • ただし、当分の間は、全体の65%以上得点すれば確実に合格できるように調整。
  3. 「禁忌肢」の導入
    • 重大なミスを防ぐため、選択してはいけない解答(例:致命的な医療ミス)を含む問題を出題。
    • 禁忌肢を選ぶと不合格になる。

今後の展望

  • 試験の継続的な改善——今回の見直しだけでなく、医療の変化に合わせて定期的に試験内容を見直す方針です。
  • 薬剤師の生涯学習——国家試験合格後も、最新の医療知識を学び続けることが重要です。

まとめ

  • 試験は345問(必須90問・一般255問)で、合格には各科目30%以上・必須問題70%以上の得点が必要です。
  • 合格基準は絶対評価から相対評価へ見直しが進んでおり、当分は全体65%以上で合格できるよう調整されています。
  • 致命的な医療ミスにつながる解答を防ぐ「禁忌肢」が導入され、選ぶと不合格になります。
  • 薬剤師には地域医療・チーム医療・倫理観がより求められ、試験も実践的な内容へ継続的に見直されていきます。

(参考:厚生労働省『薬剤師の在り方』)

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