「薬学部もう無理かも」と思ったら:辞める前に確認したいことと、立ち直った実例
「薬学部、もう無理かもしれない」と感じたとき、いちばん先にお伝えしたいのは、その状態のまま退学や留年の決断をしないでほしいということです。私たちが指導してきた学生さんの中には、2浪の末に入学した直後に留年が決まって絶望した方も、必修7科目中6科目を落として孤立していた方もいますが、原因を切り分けて手順を立て直したことで、半年後には再試験に全科目合格しています。
この記事では、「もう無理」と感じやすいタイミング、辞める前に確認したい3つの問い、そして実際に立ち直った学生さんの経過を、実例に沿ってお伝えします。
目次
「もう無理」と感じる典型的なタイミング
薬学部で気持ちが折れるタイミングには、はっきりした山があります。ご相談が集中するのもこの時期です。
| 時期 | 何が起きるか |
|---|---|
| 前期試験の結果発表後 | 複数科目の落単が判明し、再試験の山を前に手が止まる |
| 再試験の直前・直後 | 短期間に何科目も詰め込む必要があり、間に合わない感覚に飲まれる |
| 留年の決定時 | 同期が進級していく中で取り残され、「向いていない」という結論に飛びつきやすい |
| 卒業試験の前 | 6年間の集大成を前に、暗記量の膨大さに押しつぶされそうになる |
大事なのは、これらが「あなただけに起きている異常事態」ではなく、薬学部という仕組みの中で毎年多くの学生が通る関門だということです。薬学部の勉強がそもそもどれくらい大変なのかは、薬学部の勉強はなぜ大変なのかで詳しく整理していますので、あわせてご覧ください。この記事では、その先の「辞めるかどうか迷ったときの判断」に絞ってお話しします。
辞める前に切り分けたい3つの問い
「もう無理」という感覚は、実際にはいくつかの異なる問題が混ざって生まれています。決断の前に、次の3つを分けて考えてみてください。
問い1:学力・勉強法の問題か
「授業についていけない」の中身が、高校範囲(物理・生物・数学)の土台不足なのか、暗記中心の勉強法が大学の試験に合わなくなっているのか、単に試験範囲の絞り込みができていないのか。原因によって打ち手はまったく違います。土台不足や勉強法のずれは、正しい順序でやり直せば数か月単位で取り返せるもので、「向き不向き」の問題ではないことがほとんどです。
問い2:環境の問題か
質問できる友人がいない、講義がオンライン中心で孤立している、生活リズムが崩れて朝起きられない。こうした環境要因は、学力とは別の軸で成績を大きく左右します。後ほどご紹介する実例のように、勉強内容より先に生活と接点を立て直すことで好転するケースもあります。
問い3:体調・心の問題か
眠れない、食欲がない、何もする気が起きない状態が続いているなら、それは勉強法の問題より先に対処すべきサインかもしれません。この場合、まず頼っていただきたいのは大学の学生相談室や保健管理センター、必要に応じて医療機関です。私たちは学習面の伴走はできますが、体調の判断は専門の窓口に相談するのが先です。休学などの制度も、体調を理由にした場合の扱いは大学ごとに異なるため、一人で抱え込まず窓口で確認してみてください。
実例1:2浪入学の直後に留年決定、そこから半年で再試験全科目合格
実際にあったご相談です。2度の浪人を経てようやく薬学部に入学した学生さんが、1年目の必修科目を落として留年が決定しました。同期が進級していく中で「自分は薬剤師に向いていないのでは」という絶望に近い状態でのスタートでした。
指導ではまず、答案とそれまでの学習履歴を見て、つまずきの原因を特定するところから始めました。そのうえで、試験合格に直結するポイントを絞り込み、毎回の指導を「演習→添削→改善」のサイクルで回します。あわせて進捗をこまめに共有し、「進んでいる」という実感を持てるようにしました。
結果として、半年後の再試験で落単していた科目すべてに合格しています。本人にとって大きかったのは、才能や根性ではなく「正しい順序で学び直せば戻れる」と体感できたことでした。詳しい経過はこちらの指導実績でご紹介しています。
実例2:コロナ禍で孤立し6科目落単、生活から立て直したケース
もう一つ、環境の問題が大きかった実例です。こちらも2浪で入学した1年生で、前期必修7科目のうち6科目を落単し、留年が確定していました。高校で物理・生物の履修が薄かった学力面の問題に加えて、コロナ禍のオンライン授業で友人ができず、誰にも質問できないまま孤立していたことが大きく影響していました。
指導は週1回120分。合格に必要な範囲を蛍光ペンで絞り込み、前半は物理・生物の講義、後半は数学・化学の演習をその場で添削する構成にしました。特徴的だったのは、勉強内容だけでなく共有カレンダーで生活リズムそのものを一緒に立て直したことです。いつ起きて、いつ何をやるかを講師と共有することで、「一人で崩れていく」状態から抜け出しました。
結果は、再試験で6科目すべてに合格して進級。後期は欠席ゼロになり、勉強時間も倍増しました。経過の詳細はこちらの指導実績をご覧ください。
なお、学年が上がってからの「もう無理」にも同じ構造があります。暗記型の勉強が限界を迎えて物理化学・生物が分からなくなっていた4年生が、反応機構や代謝経路を「図で描いて説明する」訓練に切り替えて卒業試験全科目合格・国家試験一発合格まで到達した実例もあります。低学年でも高学年でも、原因の切り分けと勉強法の転換で状況は変えられます。
休学・転部・退学、それぞれの選択肢を整理する
切り分けをしたうえで、それでも今の形での継続が難しいと感じる場合、選択肢は退学だけではありません。
| 選択肢 | 向いているケース | 確認しておきたいこと |
|---|---|---|
| 休学 | 体調の回復や気持ちの整理に時間が必要なとき | 休学可能な期間、在籍料などの費用、復学の手続き |
| 転部・転学科 | 薬学そのものより大学の環境や進路の方向性が合わないとき | 受け入れの有無・時期・試験、単位の引き継ぎ |
| 退学・再受験 | 切り分けの結果、別の道が明確に見えているとき | 学費の扱い、その後の進路計画 |
これらの制度は大学によって条件がかなり違います。ここに書いた内容も一般的な整理にとどまるため、必ず在籍している大学の学生課や公式の学則で確認してください。そして可能であれば、決断は再試験や体調の底を過ぎてから。「いちばん苦しいタイミングでの判断」は、後から見ると本心とずれていることが少なくありません。
一人で抱え込む前に、現状を話してみませんか
「もう無理」と感じているとき、本当に無理なのか、それとも手順と環境の問題なのかを自分一人で見分けるのは難しいものです。ご紹介した実例の学生さんたちも、最初の相談時点では「自分には向いていない」と思い込んでいました。
ウェルズでは、薬学部の進級・再試験・卒業試験に関する無料相談を受け付けています。今の成績や落単状況をうかがったうえで、立て直しに何が必要か、そもそも指導が必要な状態なのかを含めて率直にお伝えします。相談したからといって入会を勧め続けるようなことはありませんので、状況を整理する場として気軽にお使いください。LINEからのご連絡も可能です。
