高校時代には物理が未履修で、授業についていけません
- 今年の春から2回目の大学2回生で、1年次にも1回留年しています。高校で物理を未履修だったため、薬学部の 物理系の授業で苦労しています。どこから学べばよいか分かりません。薬学に必要な物理の基礎を効率よく学ぶ方法を教えてください。
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物理の授業に苦戦していると感じていませんか。高校で物理を履修していなかった場合、大学の授業についていくのが難しくなるのは当然のことです。授業を受けても内容が理解できず、教科書を開いても難しい数式ばかりが並び、何をどう勉強すればよいのか分からないまま時間だけが過ぎてしまう。周りの学生は理解しているように見えて、自分だけが取り残されている気がする。そんな焦りや不安を抱えているかもしれません。
でも、大丈夫です。今は苦戦していても、適切な学び方をすれば、少しずつ理解できるようになります。今のあなたの状態は決して「できない」というわけではなく、「まだ学ぶ機会が足りていないだけ」です。焦らず、一歩ずつ基礎を積み上げていけば、必ず物理を克服できます。
まずは高校レベルの基礎を固めることが大切です。いきなり大学の専門書を開いても、理解できないのは当たり前です。物理が苦手な人でも分かりやすい参考書を活用し、基礎から学び直すことが効果的です。「宇宙一わかりやすい高校物理」や「橋元の物理基礎をはじめからていねいに」などの参考書を使えば、専門用語をできるだけ使わず、直感的に理解しやすい形で学習できます。また、物理を理解するためには数学の基礎も欠かせません。三角関数、指数・対数、簡単な微分・積分が分かると、物理の式がスムーズに理解できるようになります。数学が苦手な場合は、「数学I・A基礎問題精講」や「数学II・B基礎問題精講」を使いながら、必要な部分を少しずつ復習するとよいでしょう。
大学の授業では、特に力学(運動とエネルギー)、熱力学(エネルギーと平衡)、電磁気(電場と磁場)、量子力学(光と電子の振る舞い)が重要な分野になります。これらの分野は、薬学と深く関わっています。たとえば、熱力学を学ぶことで薬の溶解や反応速度、エネルギー変化の仕組みが理解できるようになります。また、電磁気学の知識があれば、MRIやNMR(核磁気共鳴)の原理が分かり、薬の分析にも役立ちます。このように、物理の知識は薬学のさまざまな分野で活用されるため、単なる暗記ではなく、「実際の薬学とどうつながるのか」を意識しながら学ぶと、より理解しやすくなるでしょう。
しかし、授業を聞いているだけでは理解が難しいこともあります。物理は、実際に問題を解くことで初めて身につく学問です。読んでいるだけでは分からなかったことが、手を動かして計算することで「なるほど、こういうことか」と腑に落ちる瞬間が出てきます。おすすめの演習書として、「物理のエッセンス」や「良問の風」があります。最初は簡単な問題から取り組み、少しずつレベルを上げていくことで、無理なく理解を深めることができます。
あわせて読みたい基礎学力に不安のある人は必読してください 基礎からの指導 なによりもウェルズの得意とするところです ウェルズは50年にわたり、生徒一人ひとりの未来を支える家庭教師サービスを提供してきました。ただの家庭教…それでも、独学が難しいと感じることもあるでしょう。頑張っているのに、なかなか理解できない。一人で勉強していると、何が分からないのかさえ分からなくなる。そんなときは、YouTubeの講義動画を活用するのも良い方法です。「とある男が授業してみた(高校物理)」や「予備校のノリで学ぶ大学の物理・化学」などの動画を見れば、文字だけでは分かりにくかった部分が視覚的に理解できるようになります。
もし、それでも授業についていくのが辛いと感じるなら、家庭教師を活用するのもひとつの方法です。家庭教師がいれば、自分の理解度に合わせて教えてもらうことができ、大学の授業内容に沿って学習を進めることができます。また、試験対策もピンポイントで指導してもらえるため、短期間で効率よく知識を定着させることができます。大学入学前に時間がある場合は、独学で基礎を固めるのが有効ですが、授業が始まってからは家庭教師を活用することで、大学の授業と並行しながら理解を深め、試験に向けた対策がしやすくなります。
今、苦戦しているのは、あなたが真剣に学ぼうとしている証拠です。物理が分からない、授業についていけない、そう感じるのは、「理解しよう」と努力しているからこそ生じる感情です。今のあなたは決して「できない」わけではなく、単に「まだ学ぶ方法が分からない」だけです。最初は難しくても、焦らず、ひとつずつ丁寧に学んでいけば、必ずできるようになります。分からないことがあれば、一人で抱え込まず、参考書や動画、家庭教師など、自分に合った方法を見つけてください。
あわせて読みたい物理0点からの大逆転劇! 7月の模試で物理0点を取ってしまった薬学部6年生のAさん。もともと物理が大の苦手で、高校時代から避けてきた科目だった。薬学部ではあまり物理が問われないこともあり…今の努力は、未来のあなたを支える力になります。いま苦戦していることが、きっと自信につながる日が来ます。「分からない」と感じることは、「これから分かるようになる」ための第一歩です。焦らず、自分のペースで、一歩ずつ進んでいきましょう。あなたなら、きっと大丈夫です。