薬学部CBTとは?出題範囲・いつから勉強するか・落ちたらどうなるか

監修久松 賢三ウェルズ家庭教師センター センター長プロフィール
最終更新: 2026-08-21

薬学部のCBT(Computer-Based Testing)は、4年次に受ける薬学共用試験のひとつで、5年次の実務実習に出るために合格が必須の知識試験です。パソコン上で多肢選択式の問題に答える形式で、OSCE(客観的臨床能力試験)とセットで合格して初めて、病院・薬局での実習に進めます。この記事では、CBTの位置づけと出題範囲、いつから・どれくらい勉強すべきか、万一落ちた場合にどうなるかまで、家庭教師として薬学部生を指導してきた立場から整理します。

CBTとは:薬学共用試験の中での位置づけ

薬学部の6年制カリキュラムでは、5年次に病院・薬局で計22週間の実務実習があります。実際の患者さんに関わる実習である以上、「実習に出てよい水準の知識と技能を持っているか」を事前に確認する仕組みが必要で、それが薬学共用試験です。共用試験は2つの試験で構成されます。

試験何を確認するか形式
CBT知識(1〜4年次で学んだ内容の理解)パソコンでの多肢選択式
OSCE技能・態度(調剤や服薬指導などの実技)ステーション形式の実技試験

つまりCBTは「知識面の関門」、OSCEは「実技面の関門」です。両方に合格しないと実務実習には進めません。CBTの具体的な対策の立て方は薬学部CBT試験対策の記事で詳しくまとめているので、あわせて読んでみてください。

大事な前提として、CBTは「落とすための試験」ではありません。合格基準は正答率6割前後で、全国の合格率は例年95%を超えています。ただしこれは「ほぼ全員が余裕で受かる」という意味ではなく、多くの学生が数ヶ月かけて準備した結果の数字です。1〜3年次の内容が大きく抜けている人にとっては、決して軽い試験ではありません。

出題範囲と形式:体験受験から本試験までの流れ

CBTの出題範囲は、薬学教育モデル・コア・カリキュラムに準拠した、おおむね4年次前半までの学習内容全体です。物理・化学・生物といった基礎科目から、薬理、薬剤、病態・薬物治療、法規・制度、衛生まで、6年制薬学の主要領域がまんべんなく出ます。問題は310題で、正誤の判定はコンピュータ上で行われます。

受験までの流れは、多くの大学で次のようになっています。

段階時期の目安内容
体験受験4年次の夏〜秋ごろ本試験と同じ形式で操作や出題傾向を体験する(合否には関係しない)
本試験4年次の12月〜1月ごろ合否が判定される本番
再試験本試験の1〜3ヶ月後本試験不合格者が受験

時期や運用は大学によって差があるので、正確な日程は必ず自分の大学の掲示・シラバスで確認してください。体験受験は「今の自分がどの領域で点を落とすか」を知る絶好の機会です。ここでの結果を放置せず、弱点領域を洗い出して本試験までの計画に反映させることが、CBT対策の実質的なスタートラインになります。

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いつから・どれくらい勉強するか

よくある質問が「CBTの勉強はいつから始めればいいか」です。標準的な目安は、4年次の夏休みから本格開始、遅くとも本試験の3〜4ヶ月前です。4年次は研究室配属や卒業研究の準備、OSCEの練習も重なるため、直前の1ヶ月だけで310題分の範囲を仕上げるのは現実的ではありません。

年間の中での置き方をイメージすると、次のようになります。

4〜7月:低学年範囲の棚卸し

この時期に慌てて対策問題集を回す必要はありませんが、物理・化学・生物など1〜2年次の基礎科目で「単位は取ったが理解が怪しい」領域があるなら、ここで一度戻っておくと後が楽になります。CBTは範囲が広いぶん、1問1問は基本的な理解を問う問題が中心です。基礎の抜けは直前期に一番響きます。

夏休み〜体験受験:問題集を1周する

市販や大学指定のCBT対策問題集を、まず1周通すのがこの時期の目標です。1周目は正答率を気にせず、「どの領域が弱いか」の地図を作ることが目的です。体験受験の結果と突き合わせると、自分の弱点がかなりはっきり見えてきます。

秋〜本試験:弱点領域を軸に2〜3周目

2周目以降は全領域を均等にやるのではなく、弱い領域に時間を厚く配分します。薬理や病態・薬物治療は出題数が多く、しかも国家試験にも直結する領域なので、ここを固めることは6年次への投資にもなります。1日あたりの学習時間は人によりますが、部活や実験と両立しながら平日2〜3時間、直前期はもう少し増やす、というペースで間に合わせる学生が多い印象です。

落ちたらどうなるか:再試験と実務実習への影響

本試験に不合格でも、通常は再試験が用意されており、再試験で合格すれば予定どおり5年次の実務実習に進めるのが一般的です。全国の最終的な合格率が高いのは、この再試験まで含めた数字です。

ただし、再試験にも不合格だった場合の扱いは大学ごとに異なります。実務実習の開始が遅れる、5年次に進級できず留年になる、翌年度に再度受験する、といった規程が大学ごとに定められています。ここは大学差が大きい部分なので、「落ちたらどうなるか」の正確な答えは、必ず自分の大学の学則・進級規程で確認してください。学生課や担任の先生に聞けば教えてもらえます。

また、CBTの成績は合否だけでなく正答率も本人に通知されます。ぎりぎりで合格した場合、その弱点は2年後の薬剤師国家試験でそのまま再登場します。CBTを「通過すればよい試験」ではなく「国家試験に向けた最初の全範囲模試」と捉えて、合格後も弱点領域のメモを残しておくと、6年次の自分が助かります。

直前1〜2ヶ月の追い込み方と、基礎が抜けている人の戻り方

直前期にやるべきことはシンプルで、「解ける問題を増やす」のではなく「落とす領域をなくす」ことです。具体的には次の順番をおすすめします。

直前期の優先順位

まず、出題数の多い薬理・病態・薬物治療・薬剤を優先して仕上げます。次に、法規・制度・衛生のような暗記主体の領域は直前の詰め込みが効きやすいので、試験2〜3週間前から集中的に回します。逆に、物理・化学の計算問題などは直前に新しく手を広げても伸びにくいため、すでに解ける問題の確認にとどめるのが現実的です。

基礎が抜けている人へ

問題集の解説を読んでも「解説の意味がわからない」状態なら、それは問題演習の量ではなく、低学年の基礎の抜けが原因です。この場合、対策問題集を何周しても正答率は頭打ちになります。遠回りに見えても、有機化学の官能基や生化学の代謝経路など、つまずきの根元になっている単元まで一度戻るほうが結果的に速い、というのが指導の実感です。どこまで戻ればいいか自分で判断できないときが、私たちのような家庭教師の使いどころでもあります。

当センターの薬学部専門家庭教師は、CBT対策に限らず、低学年の基礎の立て直しから留年回避、国家試験対策まで、薬学部のカリキュラムに沿ったマンツーマン指導を行っています。「体験受験の結果が悪かった」「何から手をつければいいかわからない」という段階でのご相談も歓迎です。まずは無料相談でお気軽にお問い合わせください。

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