薬剤師国家試験の好成績を指導に生かすには|化学の個別指導を始める前に
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薬剤師国家試験で力を発揮し、化学にも自信がある。これから個別指導に携わりたいなら、最初に考えたいのは「どの科目が一番求められるか」より、自分が何を、どのように教えられるかです。試験で解けることと、つまずいた人が理解できるように説明することは、別の力だからです。
一方、指導を受ける薬学部生にとっても、講師の試験成績だけでは相性を判断できません。教える側と学ぶ側、それぞれが確認したい点を整理します。
国試の好成績と指導力を分けて考える
国試で得点できた経験は、出題の読み方や学習の組み立て方を考える手がかりになります。ただし、自分には当たり前になった途中の考え方が、学ぶ人には最も難しいことがあります。
たとえば化学の問題で答えを示せても、「どの条件を見て反応を選ぶのか」「誤答のどこで判断がずれたのか」を説明できなければ、次の問題を一人で解く力にはつながりにくいものです。最初は正解を教える前に、相手がどこまで分かっているかを聞くところから始めます。
指導の目標は、講師の解き方を再現させることだけではありません。学ぶ人が自分の言葉で根拠を説明できるかまで確かめると、理解の抜けが見つかります。
化学が得意なら、教えられる範囲を分ける
「化学が得意」という言葉の中には、有機化学、物理化学、基礎的な計算、薬学の他科目と結びつく内容が含まれます。まずは学内試験の範囲と国試の問題を見比べ、説明できる単元と準備が必要な単元を分けてください。
一問を使って説明の順序を確かめる
一問を選び、①問題文のどこに着目するか、②必要な基礎知識は何か、③選択肢をどう比べるか、④似た問題でも使える考え方は何か、の順に説明してみます。難しい語を言い換えても、内容の正確さを保てるかが確認点です。
説明が止まる単元は、その場で守備範囲に入れず、資料に戻って整理します。得意科目から始めることと、化学の全領域をすぐ教えられると考えることは同じではありません。
需要が高い科目を決めつけない
「個別指導で最も需要が高いのは化学」など、科目の順位を一つに決めることはできません。つまずきは、学年、大学の授業、卒業試験までの時期、国試対策の進み方によって変わります。
科目名だけで探すより、どの試験で、どの問題から止まり、いつまでに何をできるようにしたいかを具体的に聞く方が、必要な指導を考えやすくなります。化学が入り口でも、原因が計算の基礎にある場合も、学習計画全体にある場合もあります。
指導を始める人は、自分の得意分野を明確にしつつ、扱えない課題を無理に引き受けないことが大切です。学ぶ側も「化学が苦手」だけでなく、最近解けなかった問題や試験範囲を示すと、相談が具体的になります。
指導経験は短い授業と振り返りで積む
初めから長い授業を想定せず、一つのテーマで短い説明を組み立ててみましょう。最初に相手の理解を確かめ、説明後に別の小問を解いてもらい、分からなかった箇所を聞き取ります。
- 説明前:相手が知っている言葉と、止まった問題を確認する
- 説明中:結論だけでなく、判断の順序を言葉にする
- 説明後:似た問題を相手自身に解いてもらう
- 振り返り:伝わらなかった説明を直し、次に試す方法を決める
大切なのは、講師が何問解いたかより、学ぶ人の理解を確かめられたかです。説明を短く試して直す過程を重ねると、自分の得意と指導できる範囲の違いも見えてきます。
学ぶ側が講師選びで確認したいこと
学ぶ側は、講師の国試成績や得意科目を入口にしつつ、自分の課題に合わせた説明ができるかを確かめます。「この誤答をどう見ますか」「分からないときは、どこまで戻りますか」と具体的な問題を使って聞いてみてください。
化学が苦手でも、必要なのが学内試験対策なのか、卒業試験・国試まで含む計画なのかで進め方は変わります。授業の進め方、復習のしかた、対象とする試験の範囲を最初にすり合わせると、期待のずれを減らせます。
保護者が相談する場合も、成績の数字だけでなく、ご本人がどこで手を止めているかを一緒に伝えると状況が伝わりやすくなります。
国家試験まで見据えた相談の進め方
教える側は、得意科目を出発点にして、説明できる範囲と学ぶ人の課題を丁寧に合わせる。学ぶ側は、試験名、時期、解けなかった問題を整理する。この二つがそろうと、個別指導で何から取り組むかを決めやすくなります。
薬学部卒業 家庭教師センターでは、化学のつまずきから国家試験まで、今の学習状況をうかがいながら相談を受け付けています。ご本人の課題がまだ言葉になっていなくても、手元の問題や試験範囲から一緒に整理できます。
