薬学部 有機化学対策|反応機構の“型”で覚える勉強法

この記事では、有機化学を反応機構から理解して得点力につなげる方法を、やること最小限でまとめます。丸暗記ではなく、電子の動き=反応機構を軸に学べば、未知の反応でも道筋を立てて考えられます。
まず知っておきたいこと
有機化学は国家試験・CBT・定期試験の土台。機構(矢印)で説明できる力がそのまま得点力になります。
(薬剤師国家試験 出題基準:https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11120000-Iyakushokuhinkyoku/H28kizyun.pdf / CBT問題の一部公開:https://www.phcat.or.jp/cbt/sample/)
勉強の進め方(5ステップ)
1) 速く全体を見る(5〜10分)
章の見出し・図だけを拾って、どんな反応が出るかを把握。
2) すぐ小問を解く(想起練習)
章末・小問を10題。できなかった問題に印をつけ、後でやり直します。
(体系的レビュー:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37683816/)
3) 解説で「なぜ」を追う(矢印に注目)
電子はどこからどこへ動くか。求核性/求電子性、置換基効果、酸塩基性と結びつけます。
(Mechanistic Approach:https://pubs.acs.org/doi/10.1021/ed500284d)
4) 間隔をあけて復習(1→3→7→14日)
印をつけた問題だけ再挑戦。短時間で回して定着させます。
(Spacing Effect:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35047318/)
5) 白紙に機構を書く(1分自己説明)
反応式を自分の手で書き、矢印で電子の流れを示しながら口頭で説明。試験本番で手が動く状態に。
(Active Learning in Organic Chemistry:https://pubs.acs.org/doi/pdf/10.1021/bk-2019-1336.ch001)
試験対策のコツ
定期試験・CBT
- 授業範囲の基本機構を正確に。サンプル問題や過去の出題形式で慣れる。 (CBTの問題形式:https://www.phcat.or.jp/cbt/format/)
- 回し方:機構の確認→小問→やり直し→再現(白紙)
薬剤師国家試験
- ねらい目:官能基の酸塩基性、SN1/SN2/E1/E2、付加反応、スペクトル(NMR/IR/MS)、生体内有機反応。
- 学び方:構造→性質→作用→代謝の順に、因果でつなぐ。 (出題基準:https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11120000-Iyakushokuhinkyoku/H28kizyun.pdf)
合格チェック(自分で○×)
- 官能基の酸塩基性をpKaの目安付きで説明できる
- SN1/SN2/E1/E2/付加の機構を矢印で再現できる
- NMR/IR/MSの基本帰属ができる
- 代謝(抱合・酸化還元など)を機構で語れる
参考書(使い分け)
- マクマリー有機化学:図が多く流れが追いやすい。基礎〜応用まで。
- Clayden/Warren系(邦訳あり):電子の流れを中心に説明。未知反応の分析力がつく。
まとめ(これだけ意識)
- まず全体像→すぐ小問で想起
- 矢印で「なぜ」を言語化
- 間隔をあけてやり直す
- 白紙再現で仕上げる
無料体験指導のご案内
独学で伸び悩むときは、機構中心の個別設計で学習を最短化します。過去問の傾向に合わせて、想起→再現までを一緒に回します。
参考文献(名前とURL)
- 薬剤師国家試験 出題基準(厚生労働省):https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11120000-Iyakushokuhinkyoku/H28kizyun.pdf
- 薬学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂)(文部科学省):https://www.mext.go.jp/content/20230227-mxt_igaku-100000058_01.pdf
- CBT問題の一部公開(薬学共用試験センター):https://www.phcat.or.jp/cbt/sample/
- Mechanistic Approach(Journal of Chemical Education):https://pubs.acs.org/doi/10.1021/ed500284d
- Active Learning in Organic Chemistry(ACS Books Chapter):https://pubs.acs.org/doi/pdf/10.1021/bk-2019-1336.ch001
- Spacing Effect(PubMed):https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35047318/
- CBTの問題形式(薬学共用試験センター):https://www.phcat.or.jp/cbt/format/