薬学部の子から留年・国試不合格を聞いた保護者へ|最初の言葉と次の一歩
お子さんから「留年が決まった」「薬剤師国家試験に受からなかった」と聞いたとき、保護者も驚き、これからのことを一度に考えたくなるかもしれません。けれども、その場で進路や勉強法の結論を出す必要はありません。まずは話してくれたことを受け止め、確認できた事実とこれから決めることを分けていきましょう。
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最初の会話では、結論よりも話せる余地を残す
最初に返す言葉は、原因の追及よりも「話してくれてありがとう。今、何がいちばん気がかり?」くらいの短さで十分です。お子さんがまだ結果を受け止めきれていないなら、保護者もすぐに「次はこうしよう」と予定を埋めず、話を聞く時間を取ることができます。
「どうしてもっと早く言わなかったの」「これからどうするの」と重ねて聞きたくなることもあるでしょう。ただ、その日の会話が問い詰め合いになると、成績や体調について次に話したいことまで言いにくくなるかもしれません。保護者自身が動揺しているときは、「今日は聞くことを優先して、続きは明日話そう」と区切ってもかまいません。
話したくない様子なら、返事を急がせずに「必要になったら一緒に確認するよ」と伝え、次に話せる時間だけ決めておく方法もあります。
気持ちと、確定した事実を分けて聞く
「もう無理」と感じていることと、大学や試験の制度上、何が決まったかは別の話です。先に気持ちを聞き、その後で本人が把握している範囲の事実を一緒に整理すると、必要な確認先が見えやすくなります。
- 結果は正式に通知されたのか。それとも成績や自己採点からの見込みか。
- 留年なら、対象科目・再試験の有無・次年度の履修について、大学から何が案内されているか。
- 国試不合格なら、試験結果と、卒業・就職に関する連絡をそれぞれ確認できているか。
- いま本人が困っているのは、学習、生活、進路、周囲への説明のどれか。
一度に全部を聞き出す必要はありません。大学からの通知や本人が持っている資料を基に、未確認の項目だけを残しておくと、推測で話を大きくせずに済みます。
留年と国試不合格では、次の確認先が違う
留年を告げられた場合
まず本人と大学の案内を見て、進級判定、再試験、翌年度の履修や相談窓口を確認します。何科目をどう学び直すかは、制度上の条件が分かってから考えたほうが具体的です。学年全体の留年率だけで、お子さんの次年度を判断することはできません。
国家試験に不合格だった場合
大学の在籍状況と国試の再受験は、分けて整理します。卒業済みか、卒業試験・卒業要件が残っているかによって、日々の予定も相談先も変わります。就職先から連絡がある場合は、本人が条件と期限を確認してから、家族で必要な支えを話し合うとよいでしょう。
どちらの場合も、結果を聞いた直後から長期の勉強計画を作るより、次に確認する相手と日付を決めるところから始められます。
家族が担うことと、本人が決めること
保護者が支えられるのは、話を聞く時間をつくり、必要な資料や相談先を一緒に整理することです。一方、大学への連絡、再受験の意思、学び方の選択は、できるだけ本人の考えを確かめながら進めたいところです。本人が同席を望むなら、面談に付き添う形も考えられます。
学費や生活の見通しが心配なときも、その場で「続ける」「辞める」を迫る前に、大学の制度や家計への影響を確認する時間を分けて取れます。保護者が負担できる範囲を伝えることと、本人の進路を代わりに決めることは別です。
家族内で意見が分かれたら、「いま決める必要があること」と「資料がそろってから考えること」を紙に分けるだけでも、話し合いが進めやすくなります。
最初の1週間は、小さな予定だけを決める
立て直しの初週は、年間計画を完成させる週にしなくてもよいでしょう。大学からの案内を確認する日、本人が相談先に連絡する日、家族で改めて話す日を決め、まずは実行できる予定にします。
- 通知や成績表を見て、確定事項と未確認事項を分ける。
- 本人が、大学の教務担当や相談窓口に聞きたいことを二、三個に絞る。
- 学習面は、つまずいた科目や問題の傾向を洗い出し、どこから始めるか決める。
- 家族で次に話す日を決め、予定が進まなかった理由も責めずに確かめる。
本人に余裕がない場合は、予定をさらに減らしてかまいません。毎日どれだけ勉強したかを保護者が細かく点検するより、本人が相談と学習に戻れる環境を整えるほうが合う家庭もあります。
親子だけで抱えず、相談先を一つ決める
制度や履修のことは大学、生活や気持ちのことは学生相談室など、相談したい内容に応じて窓口を選べます。勉強の立て直しが必要なら、どの科目のどこで止まっているかを本人と確認し、学習支援の利用を考えることもできます。
薬学部卒業 家庭教師センターでは、学習面の整理についてご相談を受けています。親御さんの不安も伺いながら、ご本人が今取り組めることを一緒に見つけていきます。まずは親子で話せている範囲を、そのままお聞かせください。
