薬学部から他学部・他大学へ転部・転学できる?条件と単位認定
薬学部から他学部・他大学への転部・転学は、選択肢になる場合があります。実際に可能かどうかは、現在の大学と受入先の大学規則、希望する学部・学科の募集条件次第です。薬学部に在籍していることだけで、移れるとも移れないとも決まりません。
確認したいのは、出願できるか、選考に何が必要か、修得済みの単位がどこまで認められるか、移った後にどのように卒業を目指すかです。退学の手続きを急ぐ前に、この順番で具体的な条件を集めましょう。
まだ転部・転学に気持ちが固まっていない方は、「薬学部もう無理かも」と思ったときに、辞める前に確認したいこともあわせて読み、学習のつまずきと進路への迷いを整理してみてください。
目次
薬学部からの転部・転学は、大学規則と募集条件で決まる
最初に、同じ大学の別の学部へ移りたいのか、別の大学へ移りたいのかを分けます。調べる制度も、問い合わせる窓口も変わるためです。
| 考えている進み方 | 調べる制度 | 最初に確かめること |
|---|---|---|
| 同じ大学の他学部・他学科へ移る | 転部・転学部・転学科など | 希望先の受入れの有無と、現在の所属から応募できるか |
| 他大学の途中年次へ移る | 転学・転入学、編入学などの募集 | 大学在籍者を出願対象に含むか、どの年次で受け入れるか |
| 他学部・他大学を受験し直す | 初年次から入学するための入試 | 入試の出願資格と、入学後の履修・単位認定の扱い |
募集の名称だけで判断しないことも大切です。「編入学試験」という名前で大学在学者を出願対象に含める大学もあります。実際の大学の編入学試験要項(神奈川大学)でも、在学期間や修得単位などの条件が示されています。志望先でも、自分に当てはまる出願資格の項目を読みます。
大学全体に制度があっても、希望する学部・学科が募集しているかは別の確認事項です。自分の所属学部、希望する移動先、入学したい年度をセットにして調べましょう。
出願資格と選考内容を、募集要項で確認する
募集の有無だけでなく、自分が対象かを確かめる
出願資格は「薬学部生でも応募できますか」という聞き方だけでは確認しきれません。成績証明書と履修状況を手元に置き、次の項目を募集要項と照らし合わせます。
- 大学在籍者が対象に含まれ、現在の学部・学科や課程に関する制限に該当しないか
- 必要な在学期間、修得単位、指定科目、成績の条件を満たすか
- 条件を満たす期限は出願時か、入学前か。修得見込みの単位を含められるか
- 留年・休学歴がある場合、在学期間や出願資格をどう扱うか
- 出願前の資格審査や単位の事前確認、現在の大学の許可書などが必要か
- 申請・出願・試験・入学手続きの時期と、提出書類の発行にかかる日数
留年していることだけで応募を諦めたり、単位数を満たしているから応募できると考えたりせず、条件を一つずつ確認します。読み取れない箇所は、募集要項の該当箇所と自分の状況を示して入試担当窓口へ問い合わせましょう。
編入試験・転部試験で何を見られるかを調べる
選考については、書類審査、専門科目、英語、小論文、面接などのうち、志望先が何を課すのかを確認します。薬学部で学んだ科目と、移りたい学部の試験範囲が重なるとは限りません。公開されている出題範囲や過去問題を見て、新たに準備する内容を洗い出します。
志望理由を求められる場合は、現在困っていることに加え、移った先で学びたい内容、その学部を選ぶ理由まで言葉にします。学部名や印象だけで決めず、授業内容、演習、卒業後の進路を調べておくと、希望と実際の学びを比べやすくなります。
単位認定と卒業までの期間を、分けて考える
修得した単位が、そのまま全部移るわけではない
単位認定は、これまでの学修を移動先の大学・学部でどの授業の単位として扱うか、審査してもらう手続きです。出願に必要な単位数を満たすことと、入学後の卒業要件にその単位を算入してもらうことは、分けて確認します。
成績証明書に加え、授業の内容や到達目標が分かるシラバスを用意しましょう。同じ「化学」や「英語」という科目名でも、内容や単位の扱いを見ずに認定を見込むことはできません。一般教養、専門科目、必修・選択のどの区分に認められるかまで確認すると、入学後に残る課題が見えてきます。
単位認定の申請時期も調べておきます。清和大学の編入学案内には、出願前に単位修得証明書やシラバス等を提出して確認する手続きが示されています。志望先の事前確認の有無、必要書類、正式な認定結果が分かる時期を確かめましょう。
受入年次と、実際に卒業できる時期を分ける
途中の年次に入れても、その年次から通常の残り期間で卒業できるかは、残る必修科目や履修の順序によって変わります。下位年次の授業を履修する必要があるか、実験・実習や演習に履修条件があるか、必要な科目がいつ開講されるかを確認します。
文部科学省の転学Q&Aでも、転入する年次と既修得単位の認定は、受入先の大学が判断するものとして整理されています。現在の学年が、そのまま移動先での学年になるとは限りません。
相談時には、認定される見通しの単位、入学後に必要な科目、卒業までの履修計画を並べてもらいましょう。出願前に確定できない項目は、確定する時期を確認し、見込みと決定済みの内容を分けて家族と共有します。
移る目的と、これからの学費・生活を比べる
何を変えたいのかを、移動先の学びと結び付ける
転部・転学を考える理由は、薬学への関心の変化、希望する仕事との違い、授業のつまずき、生活や人間関係など、人によって異なります。まず、自分が困っていることと、今後学びたいことを書き分けてみてください。
専門分野を変えたいなら、移動先の授業や卒業後の進路とのつながりを調べます。学習のつまずきが主な理由なら、現在の学部で基礎科目を学び直す選択肢と、移動後に新しい専門科目を学ぶ負担を比べます。環境が理由なら、通学、相談先、学習支援の仕組みまで確認しておきたいところです。
目指す資格や職業がある場合は、移動先の学部で必要な課程を履修できるかも確認します。「他学部に移れた」という結果と、「目指す進路につながる」という結果は、同じとは限りません。
学費は年額だけでなく、卒業までの支出で比べる
費用を比べるときは、今まで支払った学費と、これから必要になる支出を分けます。移動先の授業料だけを見ると、受験や入学時の費用、在学期間の違いを見落としやすくなります。
- 現在の大学に残る場合の学費と、必要な在学期間の見通し
- 出願料、入学金、授業料、実験・実習費など、志望先が定める納付金
- 単位認定の結果によって履修期間が延びた場合の支出
- 転居費、住居費、通学費、教材費など、生活と学習に必要な費用
- 現在の大学の納付期限や退学・休学時の学費の扱い
奨学金を利用している場合は、現在の大学と実施機関の窓口に、転部・転学に伴う手続きや利用条件を確認します。ご本人と親御さんで「卒業までに何が必要か」を共有できると、進路と費用を一緒に検討しやすくなります。
退学の手続きに進む前に、両方の大学へ確認する
他大学へ移ることを考えていても、受入れの条件を確認する前に退学届を出すのは急がず、まず両方の大学に手続きの順序を確認しましょう。出願中の在籍条件と、合格後に現在の学籍をどう扱うかを、日付を含めて照合することが大切です。
- 現在の大学の教務窓口で確認する。転部・転学に関する学則、在籍中に必要な許可や届出、証明書の発行方法、退学・休学の手続期限を調べます。
- 志望先の入試担当窓口で出願資格を確認する。在籍学部・課程・学年、休学歴、修得済みと修得見込みの単位を伝え、応募できる区分と事前審査の要否を確かめます。
- 志望先の教務担当へ単位認定と履修を相談する。成績証明書とシラバスを用意し、相談できる時期、受入年次、卒業までに必要な科目の確認方法を聞きます。
- 出願から入学までの予定を並べる。資格審査、出願、試験、合格発表、入学手続き、現在の大学の学籍手続きの期限を同じ予定表に記入します。
問い合わせでは、「薬学部から移れますか」に加えて、「この履修状況で出願対象になりますか」「単位認定はいつ、どの資料で判断されますか」「在籍先の退学手続きはどの段階で必要ですか」と、判断に必要な項目ごとに聞きます。
電話や面談の回答は、担当窓口、確認日、回答内容をメモします。重要な条件は募集要項の記載と照合し、分からない点を残したまま手続きを進めないようにしましょう。
進路を考える間の学習と、相談先を整理する
文系の学部や、別の薬学部を考えている場合
文系の学部へ移りたい場合も、薬学部からの出願を認めるか、必要な試験や単位の条件は何かを志望先で確認します。分野を変えれば、それまで触れてこなかった専門の学びが始まります。履修案内や授業内容を見て、関心と準備の両方を確かめましょう。
他大学の薬学部を考えている場合も、同じ薬学部という名前だけで科目や学年の引き継ぎを見込まず、学科・課程ごとの受入条件とカリキュラムを確認します。資格取得を目指しているなら、移動後の課程で必要な要件を満たせるかまで確認することが必要です。
今の授業をどうするかも、進路の検討と一緒に考える
転部・転学を調べている間にも、現在の授業や試験は進みます。志望先の出願条件に修得見込みの単位を使う場合は、どの科目をいつまでに修得する必要があるかを確認し、準備する試験との両立を考えましょう。
体調や生活の負担が大きいときは、学生相談室や教務窓口で、授業への参加方法や休学を含む選択肢について相談できます。続けるか移るかの判断材料を集めることと、今の負担を整えることは、並行して進められます。
薬学部卒業 家庭教師センターでは、プロ家庭教師が専門科目の学習を支え、センター担当がご本人のモチベーションや親御さんの不安に寄り添う二人体制でサポートしています。在籍中の勉強で困っている方は、苦手科目や次の試験に向けた学習計画をご相談ください。
