有機化学が苦手だった学生が「一番好きな教科は有機化学」と言うまでの軌跡

「この世の中で一番嫌いなものは有機化学です。」
これは、ある薬学部生が最初に私に話してくれた言葉です。彼は有機化学をまじめに勉強しようとしてもなかなか理解できず、勉強方法に悩み、ついにはあきらめかけていました。

薬学部では、有機化学が基礎として最も重要な科目の一つです。「薬学部は有機化学で始まり、有機化学で終わる」と言われるほど、有機化学の知識は薬剤師としての専門性を支える柱となります。しかし、彼にとってはまさに「天敵」ともいえる科目。苦手意識が強すぎて、授業についていくことすら苦痛になっていたのです。

ご家族も心配され、「このままでは単位を落としてしまうのでは」「勉強のモチベーションが完全に消えてしまうのでは」と不安を抱えていました。そんな状況の中、私は彼の状況を詳しくヒアリングし、彼に最適な学習方法を見つけることが必要だと考えました。

有機化学専門の家庭教師を提案し、学び方を根本から変える

そこで、私は有機化学を専門とし、苦手な学生にも分かりやすく教えることに長けた家庭教師を提案しました。ただ単に教えるだけではなく、「なぜ理解できないのか」「どこでつまずいているのか」を徹底的に分析し、彼にとって最も効果的な学習方法を確立していく方針を取りました。

最初の体験指導では、彼の苦手意識が強く、「どうせ理解できない」といった消極的な態度が見られました。しかし、指導が進むにつれ、少しずつ彼の意識が変化していきました。家庭教師が図解を多用しながら、「暗記ではなく理解することが大切」と説明すると、彼の中で少しずつ有機化学に対する見方が変わっていきました。

学習方法の工夫と理解の積み重ね

指導の中で特に重点を置いたのは、「なぜそうなるのか」を自分の言葉で説明できるようにすることでした。有機化学は単なる暗記科目ではなく、論理的なつながりを理解することで飛躍的に得意科目に変わることがあります。

彼がつまずいていたのは、有機化学の反応機構の流れでした。家庭教師は、反応のイメージを具体的なアナロジーに置き換えて説明し、彼が直感的に理解できるように工夫しました。例えば、化学反応を「ダンスの振り付け」のように捉えることで、どのステップがどのようにつながっていくのかを視覚的に理解できるようにしました。

また、短期間での成果を出すために、以下のような学習戦略を取り入れました。

• 可視化：化学反応を模式図やフローチャートで表し、視覚的に理解できるようにする
• 問題演習の最適化：基礎的な問題から応用問題まで段階的に取り組み、自信をつける
• 質問を積極的に促す：疑問点をそのままにせず、「なぜ？」を繰り返すことで論理的思考を鍛える
• 学習計画の徹底：無理のないペースで進めつつ、確実に知識を定着させる

定期試験での劇的な成長

指導を開始して数週間が経ち、彼の有機化学に対する姿勢は明らかに変わっていました。「理解できる」という感覚を得ることで、学ぶこと自体が楽しくなり、今まで苦痛だった勉強が、自発的に取り組めるものへと変わっていったのです。

そして迎えた次の定期試験。彼はなんとA評価を獲得しました。それまでの成績とは比べ物にならないほどの伸びでした。さらに、その次の試験ではS評価を取得。彼自身も驚きながら、「有機化学の勉強がこんなに楽しくなるなんて思わなかった」と話してくれました。

そして、ついには彼の口から「一番好きな教科は有機化学」という言葉が飛び出したのです。

ご家族からの感謝

この成果に、ご家族も驚きと感謝の気持ちを伝えてくださいました。最初は「どうやっても無理」と思っていた有機化学が、短期間で得意科目へと変わるなんて想像もしていなかったとのことでした。

努力 × 相性の良い指導 = 最大の成果

もちろん、ここに至るまでの道のりは決して平坦ではありませんでした。
何よりも、彼自身の努力がこの成功の一番の要因です。しかし、その努力が実を結ぶためには、適切な学習方法と相性の良い、指導力のある家庭教師の存在が大きな助けとなるのも事実です。

指導を通じて、彼に合った学習スタイルを見つけ、有機化学の理解を深めることができました。そして何より、苦手意識を克服し、「好きな教科」と言えるほどに自信をつけることができたのは、彼自身の努力と、それを支えた指導者の力が合わさった結果でした。

有機化学が苦手で悩んでいる方へ――
「苦手だからこそ、学び方を変えれば劇的に変わる可能性がある」
このエピソードが、その一つの希望になればと思います。。…と思っていたけれど、しっかりサポートしてもらえたことで自信が持てました！」と喜びの声をいただきました。