共用試験対策

概要

6年制の薬学科では、5年次の参加型実務実習が必修となっています。
これは、学内における1ヶ月以上の実務実習事前学習のあと、病院および薬局においてそれぞれ11週間行う長期実務実習です。

共用試験とは、4年次の終わりに実施する試験で、実務実習に参加するためには必ず合格しなくてはいけません。

試験の内容は、「知識および問題解決能力を評価する客観試験(CBT)」と「技能・態度を評価する客観的臨床能力試験(OSCE)」に分かれます。

全国の薬科大学・薬学部が共通の試験を用いることで、大学間の学力格差をなくし、実務実習に必要な薬学知識、技能、態度のレベルを一定水準以上に保つことが狙いです。
不合格者には再試験がありますが、一発合格することに越したことはありません。

また、共用試験対策として覚えることは、卒業試験や国家試験でも必要になる知識ですので、決して無駄にはなりません。
大切なことは、わからないことをわからないままにしておかないことです。

直前に勉強を開始するのではプレッシャーが大きいため、苦手意識がある人ほど、早めの対策が肝心です。

背景

薬学部では元来、医薬品の研究開発に関わる人材と医療現場で働く薬剤師の育成を行ってきました。

今までは、どちらかというと医薬品の研究開発に関わる教育に重きが置かれており、医療人としの薬剤師の養成にはあまり力を入れて来ませんでした。
授業形態も講義を通した知識の習得が中心で、実務実習は2〜4週間と短く、臨床に関わる実践的能力を培うには不十分でした。

その一方、薬学生が薬剤師国家試験に合格し、薬剤師資格を取得すると、直ちに第一線で処方せんに基づいて調剤し、医療・福祉関係者と協力しながらチーム医療を担う一員として患者の薬物治療に従事することになります。

そのため、時代が求める「医療人としての薬剤師」の育成を目指し、6年制の薬学教育では、学内における1ヶ月の実務実習事前学習と病院および薬局における各11週間の長期実務実習が5年次の必修科目となりました。
実務実習では現場の薬剤師の指導・監督のもと実際の調剤を行い、患者と直接接することで薬剤師としての実践能力を習得します。

出題レベル

共用試験の問題は、4年次までに学んだ知識を身につけていれば、 一ヶ月以上の特別な準備学習をしなくても正答率が70〜80%となるようなレベルに設定されています。
例えばCBTでは、各分野の重要項目・キーワードについての基本的知識が問われます。

初めて行われた2009年度以来、共用試験の合格率は98%を下回ったことはありません。

ただ、これは試験が簡単だということではなく、共用試験を受けても落ちるだろうと思われる学生は、受験せずに留年しているという事情があります。
受験時に通常の授業を理解している学生を対象としているので、授業についていけていない学生や、1年生や2年生で勉強したことを忘れている学生は、かなり苦労するでしょう。

CBT

知識が問われるCBTでは、学生ごとに異なった問題がランダムに出題されます。
受験する問題が異なりますが、問題全体としての難易度は変わりません。

試験では、5つの選択肢から正しいもの(まれに間違っているもの)を選びます。
1問の解答時間が1分以内となるよう、1つの問題に多くの事項を盛り込まず、単純な内容で問題数を多くする積み重ね形式で知識を問います。

解答に当たって、学生はメモ用紙等を用いることはできません。

CBT出題範囲

3つに分かれているゾーンから、合計310題が出題されます。

ゾーン1

物理系薬学30題
化学系薬学40題
生物系薬学35題
合計105題

ゾーン2

薬と疾病・薬理系55題
薬と疾病・薬剤系35題
薬と疾病・情報系15題
合計105題

ゾーン3

ヒューマニズム・イントロダクション10題
健康と環境40題
薬学と社会20題
実務実習事前学習30題
合計100題

一般的に、「物理系薬学」や「化学系薬学」で苦戦する学生が多いので、注意が必要です。

合格基準

全310問中186題(60%)以上正解することです。
ゾーンごとの足切り点はありません。

OSCE

OSCEは、学生の基本的な臨床技能および態度を客観的に評価するために開発された評価方法です。
OSCEではステーション」と呼ばれるいくつかのブースが用意され、各ステーションで様々な領域の臨床能力を評価するための課題が出されます。
受験者は合図に従って各ステーションを順に回り、課題表に示された項目を定められた時間内に実施します。

1つの大学の受験生には同じ課題が出題されます。

出題範囲

OSCEでは、5つの領域からそれぞれ1〜2つの課題が出題されます。

患者・来局者応対1課題
薬剤の調製2課題
調剤監査1課題
無菌操作の実践1課題
情報の提供1課題

合格基準

OSCEの評価は課題ごとに行われます。
細目評価で評価者2名の平均点が70%以上、かつ概略評価で評価者2名の合計点が5以上の場合、合格となります。

実施時期

CBTとOSCEの本試験は、いずれも4年次の12月から1月の間の各大学が設定した試験日に実施されます。
CBTは1日、OSCEは1日または2日間で試験が行われます。

実施場所

試験会場は、受験生が所属する大学です。

受験料

受験料は下記の通りです。
各大学が受験生から徴収します。

本試験 25,000 円
再試験 CBT、OSCE それぞれにつき12,500 円
CBT体験受験 3,000円

追試験の場合、受験料はかかりません。

試験結果

CBTとOSCEの試験結果は、試験実施から1週間以内に薬学共用試験センターから各大学に送付され、それに基づいて各大学で合否の通知が行われます。
共用試験の結果については、基準点に到達したどうかのみが学生に通知され、得点は通知されません。

合格基準に達していない場合、再度受験しなければなりません。
再試験は当該年度につき1回限りとされています。
CBTの再試験では、すべてのゾーンの再受験が必要です。
OSCEの再試験では、本試験において基準に達しなかった課題のみが対象となります。

 

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